皆さんこんにちは。aohitoです。
今日はブレーキについてです。
バイクでも車でも自転車でも、動くものには大体取り付けられているもので、
制動装置という呼び方をします。バイクを安全に走らせる上で最も大切な部位になります。
当然、整備をする際も特に気をつけて何回もチェックが必要な作業になってきます。なので、ブレーキに関してはプロのいるショップさんにやってもらうのをお勧め致します。
しかし、作動原理とか、もしもの時の為に、関係する色々な知識などは知っておいた方が良いでしょう。
以前、僕がオイル交換を担当させていただいた時にお客様から
『前の方からカタカタ音がする』
という報告をいただき、交換と併せて点検をさせていただいたのですが、パッと見た感じはどこも問題無さそうだったんですね。
しかし、点検を進めていくとびっくりしました。
フロントのブレーキキャリパーが外れかかっている!
もうボルトが全然締まってなくて、ちょっと走ればボルトは落ちてしまいそうな勢いでした。
スグにお客さんに報告をして、詳しく聞いてみると近所のはじめていくお店でタイヤを交換してもらったそう。おそらく、その時に担当した方がブレーキをちゃんと締め付けなかったんでしょう。
始め見た時は本当に肝を冷やしました。このまま、走っていたらどうなっていたのかと。こういった経験もあるので、『ショップ選びは大切!』というのはもちろんあるのですが、
自分でもある程度診ることができる知識をもっておくというのが大切だと思います。
ここのサイトでは1つのテーマとして頻繁に言っているのですが、
『少しでも良いから自分のバイクのことを知っておこうね』というのをお伝えしています。
その方が何かあった時とか、普段からも安心してバイクと付き合って行くことができるんですよね。なので、ここで少しでも勉強していってもらえたら嬉しいです。
という事で、ブレーキについての解説です!
ブレーキ種類
現在二輪車で主に使われている主なブレーキは二種類。
ドラムブレーキとディスクブレーキです。
構造は違いますがどちらも運動エネルギーを熱エネルギーに変換して放熱する事で制動力を得るときうのが共通した考え方です。
ドラムブレーキはホイールハブ内に取り付けられたブレーキシューというものを外側に押しつけてホイールの回転を止めよう働きます。
ディスクブレーキはホイールに取り付けられたディスクをパッドで挟み込むことによって制動力を得る仕組みです。ケーブルやロッド、油圧などで作動させます。
では、それぞれ細かく解説していきます。
ドラムブレーキ
ドラムブレーキは古いオートバイやリアブレーキなどによく使われています。
対応の車両にお乗りの方はわかると思うのですが足元や手元のブレーキ装置からケーブルやロッドがホイールに伸びていますよね?それがブレーキワイヤーやブレーキロッドと呼ばれるものです。
これを引く事で、ドラムの外側に付いていて、ワイヤーやロッドに繋がっているブレーキアームが動きます。すると、内部のブレーキカムが動き、ブレーキシューを押し拡げます。押し広げられたブレーキシューはドラムの内側に押し付けられて制動力を発生させます。
これが基本的なドラムブレーキの構造です。
この時のバイク進行方向前側のシューをリーディングシュー、後ろ側をトレーリングシューと言います。このリーディング、トレーリングシューがドラムブレーキシステムではポイントなります。
ドラムの回転方向に対して前側にあるリーディングシューが開いて押しつけられると、シューがドラムに食い込む作用があります。これをセルフサーボ効果といいます。これによってシューを押し付ける単純な力だけでなく、より大きな力で制動力を発揮することができます。
しかし、トレーリングシューはドラムによって押し戻される力が働いてしまうので、与えた力を発揮する事が出来ません。なので、いつもリーディングシューが頑張ってくれているみたいな感じです。笑
ただ、このセルフサーボを最大限活かす為にブレーキカムを上下二つに設けて、どちらの、シューもリーディングシューとして作動する2リーディング式ドラムブレーキも一部の車両に採用されているようです。
ブレーキを緩めると、アームが戻りシューはスプリングによって元の位置に戻るので、いつも適切な隙間が保てる構造になっています。
ドラムブレーキの弱点としては放熱性があります。殆どの部品がハブ内部に納められているので、放熱性が後述するディスクブレーキに対して劣ります。なので、ハブやシューを大きくしたり熱伝導の良い素材を使われています。
ディスクブレーキシステム
早速ですが1つ問題です。ドラムブレーキとディスクブレーキ、どちらの方が制動力は高いでしょうか?
答えはドラムブレーキです。
近年のオートバイはディスクブレーキが増えてしていますし、殆どがディスクブレーキです。なので、ディスクブレーキの方が制動力が高そうですが、実はドラムブレーキの方が単純な制動力は上なのです。
これは前述したセルフサーボ効果の大小が影響してきます。ディスクブレーキはドラムブレーキほどセルフサーボ効果を得る事が出来ないのです。なので、その分ディスクブレーキは油圧によって強い力でパッドを押し込むように作られています。他にもピストン型を大きくしたり、ピストンを増やしてパッドの枚数を増やしたり、ブレーキキャリパーをフロントに2つ設けたりといった事で制動力を大きくしています。
作動としては、ブレーキを握ったり踏み込む事によって、ブレーキ液がホースを通ってキャリパー内のピストンを押し込みます。押し込まれピストンはブレーキパッドを介して回転するブレーキディスクを挟み込みます。この動きによって制動力を発生させています。
この時、マスターシリンダー内にのマスターピストンがブレーキフルードを押し込むのですが、そのピストン径がポイントです。マスター側よりキャリパー側のピストン系を大きくすること、それに併せてレバー比によるテコの原理を生かして少ない力(軽くレバーを握っても)大きな力を発生させる事が出来るのです。これが基本的なディスクブレーキの構造になります。
ブレーキパッドとディスクは、自動で隙間を調整している
パッドがディスクを挟み込み、ブレーキをかけるのというのは理解てしもらえましたか?では、ブレーキを緩めたらパッドはどのように戻るのでしょうか?
これにはピストンシリンダー内のピストンシールと言われるゴム部品がこの役割を担っています。
ピストンシールはシリンダー内の溝にはめ込まれていて、そこにピストンが収まっているので常にピストンと触れ合っています。ピストンが油圧によって動かされるとピストンシールの触れている部分が摺動抵抗によって引きずられるようなイメージで引っ張られます。そして、ブレーキを戻して油圧がなくなると、ピストンシールのゴムの元の形に戻ろうとする力によってピストンは元の位置に戻されます。
このピストンシールの働きによってブレーキをかけたり、緩めたり、パッドが減ってもディスクとの隙間を、常に最小限に保つ働きをしてくれるのです。
実際見てみると、ただのゴムの輪っかみたいなものなので、「これがそんなに活躍してくれているのか!」と思うかもしれません笑
ブレーキにはリターンスプリングとかの機構を設けてパッドを戻すわけではなく、ピストンシールの原型復帰の力だけでピストンをコントロールしているのは当時、驚いた記憶がありますね。
以上でブレーキの種類についてを終わります。
次回はブレーキ液とディスクブレーキの種類について解説していきます。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました♪
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