バイクの駆動系について解説【No.2】〜トランスミッションの仕組みと二次減速機構について〜

オートバイの仕組みと整備
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 皆さんこんにちは。aohitoです。

 前回に引き続き、駆動系の解説をしていこうかと思います。前回はクラッチを含む一次減速機構についてだったので、今回はトランスミッション(変速機)、そしてスプロケットやチェーンといった二次減速の説明をしていこうかと思います。

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 それではいきましょう!

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トランスミッション基礎

エンジン回転数と走行に必要な力の関係

 トランスミッションの仕組みの前に、まずエンジン回転数とオートバイの走行に必要な力の関係について説明します。

 エンジンの出力というのは回転数によって変化します。低回転であれば小さな出力、高回転であれば大きな出力を発生することができます。

 では発進時や登坂時ではどうでしょうか?止まっている物体を動かしたり、坂道を登っていくというのは、とても大きな力が必要です。なので発進時や登坂時には、まずエンジン回転数を10000rpmまで上げて…なんて事はしないですよね。笑

 発進時や登坂時といった負荷が掛かる場面でも、低回転〜中回転で安定して発進、走行する事は可能です。又、高速道路等の平坦な道を負荷なく走行する際にも、必要以上にエンジンを回さずとも、十分な速度で走行する事は可能です。

 つまり、バイクが走る為に必要な力(トルク)は走行状況によって変化し、必ずしもエンジン回転とは比例しないと言う事になります。

トランスミッションの役割

 では、エンジンの回転数に対して、バイクが走るために必要な力(トルク)を変化させているのは何か?それが、トランスミッションというわけです。

 前回も例として用いましたが、自転車をイメージするとわかりやすいですね。ペダルを漕ぐ回数は一緒でも、その時に使用しているギアによって発生するトルクは変わってきます。それにより、坂道を登ったり平坦な道を軽快に走ったりする事が出来るのです。

 エンジンに対する負荷というのは一定ではなく、平坦な道や下り坂、登り坂。牽引や積載などあらゆる場面が想定されます。

 それらの様々な状況にも対応できるように、必要なトルクを取り出すのがトランスミッションという事です

 なので、状況が変化しない草刈機やコンプレッサー等にはミッションが必要ないので搭載されていないのです。

トランスミッションの仕組み

 では、トランスミッションの中身や仕組みはどうなっているかを話していきますね。

 二輪車の場合は常時噛み合い式という方式が一般的です

 これはクランクシャフトやクラッチ(一次減速機構)から回転を受け取るメインシャフトとドライブスプロケットや後輪へ回転を伝えるカウンターシャフトの2本のシャフトがメインで成り立っています。

 その二本のシャフトに1速2速3速といった各ギアが配置されており、対をなしています。ギアがニュートラルの時はメインシャフトギア、カウンターシャフトギアのどちらかのギアが空転するようになっているので、エンジン回転は後輪に伝わりません。

 しかし、チェンジペダルによって操作が入るとシフトフォークと連結されたギアが軸方向にスライドして対応したギアがシャフトと一体となり回転が伝わるのです。

 シフトフォークはチェンジペダルによってシフトドラムが回転することで動く様になっています。

 これがトランスミッションの簡単な仕組みです。

変速比

 トランスミッションの駆動軸となるメインシャフトギアは歯数が少なく設定されています。そして、スプロケットに回転を伝えるカウンターシャフトギアの歯数は多く設定されているので、ここで減速が行われ、トルクが増大されています

 ミッションに6つのギアが設定されていれば、6つの変速比があります。

ミッションの操作

リターン式

 我々が普段乗っている様なオートバイであればリターン式という操作方式が一般的です。これは1.N.2.3.4というように一速からギアを上げていき、トップギアからは下にギアを下げていく方式のものです。

 レーサーなどではこの操作を逆にするいわゆる『逆シフト』を採用したりもします。サーキットメインの人なんかは逆シフトにしている方も多いですね。

 あとは、アメリカン系の車両であればシーソーペダルを装着する事もあるかと思います。爪先側の操作でシフトダウン、カカト側の操作でシフトアップする方式なので、靴を痛めないというメリットがあります。

 これらは操作の違いはあれど、どれもリターン式になります。

ロータリー式

 これは主にビジネスバイクに採用される方式でN.1.2.3.4.N(以下ループ)といった具合にずーっとギアチェンジが出来るタイプです。

 発進、停止を繰り返すビジネスバイクには非常に有利な方式となっています。

二次減速機構

 エンジンからの回転をホイールに伝える為に最終的な減速を行うのが二次減速機構です。最も一般的なのがチェーンを用いたチェーンドライブ式で、他にはとシャフトドライブ式とベルトドライブ式があります。それぞれ解説していきますね。

チェーンドライブ式

 トランスミッションのカウンターシャフトと繋がったドライブスプロケットホイールと一体となっているドリブンスプロケットそれらを繋ぐチェーンで構成されており、ドライブスプロケットの回転をチェーンを介してホイールに伝える働きがあります。

 チェーンは構造がシンプルでフリクションロスも少なく、更に他の方式に比べて安価というメリットがあります。

 デメリットとしては、チェーンが使用によって延びてしまう事や放っておくとサビてしまう事があるので、定期的なメンテナンスが必要な点です。

 とはいえ、チェーンの性能も大きく向上してきているので、大きなデメリットとはならないのかな?とは思います。

シャフトドライブ式

 大型クルーザー等に多く採用されるタイプで、チェーンではなくドライブシャフトを介して動力を伝えています。

 ミッションからの動力をスパイラルベベルギアで方向を変えてドライブシャフトを回し、再び後輪側のベベルギアでホイールが回転する方向に変えてあげる仕組みです。

 これらのユニットを密閉してオイルを入れてあげる事で、潤滑や防錆が確実に行われるというメリットがあり、更にチェーンと違い伸びる心配もないのでメンテナンスの手間も大幅に削減できるという点も挙げられます。

 しかし、その分重量が重くなり、コストがかかるというデメリットもあげられます。

ベルトドライブ方式

 チェーンの代わりにコグドベルトというベルトを使うタイプになります。ガラス繊維やアラミド繊維などで作られた高強度なベルトでチェーンよりも高寿命なものになります。

 チェーンタイプのように伸びたりすることもほとんどなく、給油、清掃等のメンテナンスもフリーに近い状態て使用し続ける事が出来るので、非常に楽ではあります。

 又、チェーンのような摩耗はなく、変速ショックやメカノイズも抑える事ができるというメリットがあります。

 しかし、チェーンのようにたわませる事(適度な遊びをとる事)がむずかしい為(※ベルトドライブは常に張り気味でないといけない)にオフロードなどの、サスペンションストロークが大きな車両には不向きです。

 又、高寿命ではあるものの、一部に亀裂が入ったりするとそこから一気に切れる事もあるというデメリットもあります。

以上がオートバイのMT車における駆動系の解説になります。

クラッチやトランスミッションなどは分解する機会も少なく、カスタムの定番というわけでもないので、中身を知らない方も多かったのではないかと思います。

そういった方たちに少しでも中身を知ってもらい機構を理解してもらえたら嬉しく思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪

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