皆さんこんにちは。FLAG-UP代表の中島照文です。
今回は、工具の選び方とその正しい使い方について話していきたいなと思います。
オートバイを購入するとやはり自分でも何かやってみたいと思う方も多いかと思います。
自分でちょっとしたパーツを交換してみたり、オイルを変えてみたり、そういった事をする中でどんどん愛着が湧いてきて、バイクがより身近になり楽しくなるっていうのもオートバイの魅力かと思います。僕はそのまま整備士になっちゃいましたからね。
バイクをいじる為にマストなのが工具です。これが無ければ始まりません。どんなに優秀なメカニックでも工具がなければオイル交換すら出来ません。
なので、工具というのは整備士にとって命のようなもので、僕の場合は使用後には工具をピカピカに拭いて綺麗に工具棚に戻すように叩き込まれました。
ご自身でやる場合にはあくまで自分のバイクをいじるだけなので、そこまでやるかどうかは個々人の判断ですが、使用後は綺麗にすることで長く使えますし、紛失等の恐れも軽減するでしょう。案外あるんですよ、シートの中とかフレームの上に置いちゃって『あれ?どこだ?』みないな。笑
なので、そういった工具の扱い等にも触れながら、お話していこうかと思います。
それではいきましょう!
工具の選び方
まず、工具の選び方ですが基本的にはセット品を買うのがおすすめです。
オートバイの場合は特に入り組んでいる所が多く『この長さじゃ届かない』とか『角度が悪くて入らない』とかはよくある話なので、色々なサイズやエクステンション(延長工具)が入っているセット品の方が組み合わせやすいのでオススメです。そして、車両に合わせて足りないものを買い足していくというのが一番良い買い方だと思います。
セット品の選び方ですが、まずミリ工具かインチ工具かですね。ハーレー乗りの方はインチ工具、それ以外の方はミリ工具でオッケーです。
又、一流メーカー品が良いのか?無名のメーカー品でもいいのか?っていうのは悩む所だとは思います。
僕的には殆どの方は無名のメーカーのものでも良いんじゃないかと思います。
もちろん京都ツールやスナップオンとかの工具は良いです!使いやすいですし、品質保証もされているのでアフターフォローを受けれたりと、やはり安心して使用できるなという風に思います。
とはいえやはり高価なので、工具にそこまでかけられない方も多いと思います。なので比較的安価なセット品でも問題はないでしょう。取扱方法さえ間違わなければしっかり活躍してくれると思います。
ただし、エンジン内部とかの精密な作業、正確なトルク管理が要求されるような場合にはメーカー品の方が安心かと思います。やはり、プロの現場で愛用されている工具なので信頼性は高いでしょう。
なので『自分はどこまでやるつもりなのか』っていうのを一度考えてみて選ぶのが良いと思います。後で、又違うモノが欲しくなったら買い足せば良いですし、あったらあったで何かしらの場面で役立つ事も多いですからね。
よく使われる工具とその使用方法
では、ここからは使用頻度の高そうな工具の使用方法と、その注意点について書いていきます。
レンチ
両端にボルトをはめる事が出来る様になっているものが多いかと思い。隙間が空いているものをオープンエンド、隙間が空いていないものをクローズドエンドと言います。両端がクルーズドエンドのものをメガネレンチと言い、非常にメジャーな使用頻度の高い工具になります。
一般的には8ミリ、10ミリ、12ミリ、14ミリ辺りのサイズを使う事が多いです。外車では13ミリが多く使われている印象があります。
使い方のポイントはしっかりボルトにはめる事です。斜めに入っていたりするとボルトの頭を潰してしまい(俗に言うなめる)取り外しが困難になる事も考えられます。なので、しっかりはめる事、そしてサイズを間違えないというのが基本的ではありますが、とても大切なポイントです。
余談ですが、この辺りのフィット感が一流メーカー品とそうではないメーカー品の違いかと思います。 一流品のほうがボルトに隙間なくしっかりとはまるのでトルクもかけやすく、なめりにくいという安心感があります。 この細かな精度の差にお金をかけられるかどうかっていうのがポイントかと思います。
また、なるべくクローズドエンドを使うというのも大切です。こちらの方が全体を囲むのでトルクも伝わりやすくなめにくくなります。特にアクスルシャフトとかの大きなトルクが必要な場合には必ずクローズドエンドの方を使用しましょう。
更に、力を入れやすいポイントというのもあります。例えばフロントホイールのアクスシャフトを緩めるとします。その時ホイールを時計に見立てると自分は9時の方向に立ち、9時の辺りからレンチをはめて6時の方向に(下方向)に向けて体重をかけて緩めてあげます。この、時計でいうところの9時から6時あたりが一番力を入れやすく、滑るといったミスも起こしにくいので、ボルトを緩める際は意識しておくといいでしょう。
もちろん、全ての箇所でそのように工具が入る事はありません。引いたり持ち上げるような動きの場面も出てくるとは思います。ただ、基本は下方向というのが大切かと思います。
ボルトが固くて緩まない!
『ボルトが固く締まっていて緩まない!』って時もあるかと思います。その時は、手のひらで叩きます。叩く事で瞬間的に強い力が働くので、ボルトが緩みやすくなります。
ただ注意も必要で、強い力が入る分滑らすとボルトを傷める危険性が高いです。なので、逆の手でしっかりとレンチが外れたり斜めにならないように抑えながら行って下さい。
他にはレンチを長いものに変えるという方法もあります。工具を長くする事でテコの原理がはたらき、より強い力が働きます。裏技として、レンチを鉄パイプに通して長くしたりなんかもしますが、これによって破損した場合は保証が受けられないとかもあるので注意して下さい。
ラチェットハンドル
ボルトの締める緩めるを任意で決める事が可能で、その逆方向に回すと空転するように作られている工具です。これにより、狭いスペースでもボルトを素早く回す事が可能になります。
ソケットの取り付けサイズは12.7ミリ(2分の1インチ)、9.5ミリ(8分の3インチ)、6.35ミリ(4分の1インチ)の3種類があり、バイクでは中間の9.5ミリ(8分の3インチ)が一般的です。
ラチェットのレバーによって、締め側か緩め側かを決定してどちらの方向にも使用が可能です。又、内部のギア数によってどれだけ狭い範囲で回せるかが決まります。
素早くボルトを回せるので非常に便利な道具で使用頻度も高いのですが、内部にギアを持つという構造上、大きなトルクが掛かると破損の恐れがあります。
なので、そういった場合には一度メガネレンチに切り替えて、トルクを抜いてからラチェットに持ち替えるなどといった工夫が必要かと思います。
ティーレンチ
こちらもオートバイの整備では使用頻度はとても高いかと思います。シンプルな構造なので使いやすく、先端をソケットによって切り換えるタイプであれば様々な場面で活躍してくれます。
狭い奥まったところにも使えますし、早回しも得意です。ただ、強いトルクはかけにくいので場合によってはレンチに持ち帰る場面もあるでしょう。しかし、それゆえにトルクをかけ過ぎる事を避けらるので、メリットでもあるのかなと思います。
次回に続きます。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
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