磨きで塗装のクオリティは断然上がる!!〜本格的な磨き方を教えます〜【No.1】

塗装の知識と実践
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 皆さんこんにちは。FLAG-UP代表の中島照文です。

 今回は磨き(ポリッシングについてです。

 磨きというと皆さんポリッシャーを持ってバフでヴィーンと磨いて艶を出すというのをまず想像するかと思います。それはそれで間違ってはいないのですが、実は磨きとはもっと奥が深いものなのです。

 僕も始めは「コンパウンド付けてポリッシャー当てるだけでしょ?」と思っていたのですが、やり始めるとその大変さと面白さに気付きました。そんな事もあって僕がペイントショップで働いていた時は、磨きの作業をかなり重点的に行っていました。正直初めはやりたくなかったんですけどね。笑 

 何故かというと磨きってかなり責任重大なんです

 下地工程や塗装工程も、もちろん大切なのですが、磨きの工程というのは最後の工程になるのでミスが許されないんですよね。磨きすぎてクリアコートを落としてしまったり、ポリッシャーを引っ掛けて深いキズを入れてしまったりと、磨きを行っているとみんな一回は経験するだろう落とし穴が結構あるのです。かといって手を抜く事も出来ません。

 各ペイントショップさんにそれぞれ考え方もあって、磨きを重視していて時間をかけるショップさん。「塗り肌が一番!」としてあまり時間を掛けないポリッシングをしているショップさんなど、それぞれです。

 自分は前者のような塗装屋さんに勤めていた事と、後者のショップさんの仕上がりを見た事もあって磨きってめちゃくちゃ大切派です。

 いくら、良いブースで塗ろうが、腕の良い職人さんが塗ろうがブツ(ゴミ)の付着は避けられませんし、多少なりとも塗装の肌が荒れたりします。場合によってツヤが多少ひくことやクレーターが出る事もあります。

 車の場合は面積も広く、基本的には遠くから眺めますよね?車の塗装面を10センチくらいの近距離で全て眺めるって人は、なかなかいないと思うんです。

 ただ、オートバイに関しては近くで見る事も多く、特にタンクの上面なんかは乗っているだけでも、目につく場所です。塗装の具合も車に比べたら気になる方も多いと思うので、オートバイの塗装に関してはしっかり磨き上げると言うことが特に必要になってくると思っています。

 なので、ここからは塗装面の磨き方や道具について、紹介していきたいと思います。

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磨きの目的

 まず、そもそもですが、何故磨く必要があるのかという話です。

 「磨きってなにするの?」と思う方も多いと思うのでそもそも的な話からスタートしていきます。

・ゴミをとる

 塗装を行なうと、どうしてもブツ(ごみ)が付きます。これは、どんな高性能ブースでプロが塗装しても確実に避けれるものではありません。

 空気中に舞う微細なホコリや、塗装者の衣服などからもホコリは付着します。

 又、塗料の顔料によっては粒子が粗く、ブツが付着したように表面がブツブツする事もあります。このままでは、良いクオリティとは呼べないので磨きで取り除く必要があります。

・肌を調整する

 塗装の世界では、塗装表面の凹凸具合を表す為に『肌』という呼び方をします。ゆず肌とか鏡面肌とか聞いた事はありませんか?これを理想の状態にする為に磨きの作業が必要になってきます。

 車、オートバイの塗装においてはゆず肌(オレンジピール)はあまりよろしくないとされています。表面がゴツゴツしてしまい滑らかさが無く、その為に艶も出にくいんです。

 又、ゆず肌とまではいかなくても、「若干肌が悪いよね」っていうのはプロの世界でも普通にある事なので、やはり修正が必要になってきます。実際、塗装の肌までこだわるお客様は希ですが、ここではこだわったベストな方法を紹介していきたいと思います。

・クレーターを取り除く

 塗装表面にクレーターのような凹みが出来ることがあります。下地の影響や塗装表面に油分や水分がなんらかの理由で付着した場合などに起きます。

 あまりに深いクレーターは、磨きの作業範囲内で完全に取り除くのは難しい場合もありますが、浅い場合には取り除く事が可能です。

 クレーターもブツ同様に目立つ事もあるので、取り除けるものは取り除きたいですね。

・下地や塗装の際の不具合をカバーする

 不具合というと少しオーバーに聞こえますが、見栄えがあまりよろしくないような箇所を磨きでカバーしていきます。

 例えば『タレ』などです。クリアコートを部分的に吹きすぎたりする事でクリアコードがタレてしまう事があります。

 これを、磨き作業で取り除いたりします。あまひにひどくタレた場合は、塗り直した方が早い事もあるのですが、磨き作業で取り除ける場合はとっていきます。

 他には『下地の目が出てしまった』時などです。

 例えばパテ研ぎなどで粗めの番手で研いで、サーフェーサー、ベースコート、クリアコートと塗装していくわけですが、その過程を踏んでも下地の目が荒すぎて消えず、最後まで尾を引く場合があります。そういう場合も磨きで取り除いていきます。

 あくまで磨きは最終工程になるので、深く研いでいくことは好ましくありませんが、可能な限り不具合をカバーしてクオリティをあげていく目的があります。

・艶を出す

 一番に思いつくのはコレだと思います。自分も塗装を知るまではツヤを出すだけの工程だと思っていましたので。

 クリアコートも性能が良いものが日々生まれ、最近の塗料は非常にツヤも良いのですが、やはりポリッシャーで細かい所まで磨いてあげたほうが、美しい仕上がりになります。

 又、個人で始めて塗装行う場合は、特にクリアコートでしっかりとツヤを出すというのも難しいと思うので、この磨きの工程でしっかりとツヤを出してあげるといいでしょう。

 その為にはクリアコートに十分な厚みがないとむずかしいのですが、逆に言えばしっかりクリアコートさえ乗っていれば、磨きの工程である程度カバー出来るということです。

 以上が磨きの目的です。これらの目的を果たす事でクオリティ良く塗装仕上げる事が出来ます。

磨きをするにはこれらを用意しよう!

 次は必要な道具についてです。

・1000番~5000番の耐水ペーパー

 ブツやクレーターを取る為、肌を慣らす為にも、ほぼ全て研ぎの作業が必要になってきます。

 車だと、1000番とか粗い番手を使うのですが、オートバイの場合、メインで使用するペーパーのオススメは3000番です。粗くても2000番程度が良いです。慣れてくれば、その辺の選択も自由にやっていく事も出来ますが、始めは3000番から始めた方が良いでしょう。

 理由としては、粗い番手だと目消しが大変だから。

 消えたと思っても消えてなかったり、そもそも消せなかったりします。なので、3000番がオススメです。メインは3000番を使用して、目消しで5000番を使うと非常に研ぎ目を消しやすくなります。

 番手が細かいのて、研ぐ事自体は多少大変かもしれませんが、目を消す作業の方が大変なので、細かい番手で進めていったほうが良いでしょう。

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・バフレックスシート(2000番、3000番)

 耐水ペーパーのシートタイプです。これをベースとなる柔らかいシートなどに貼り付けて作業を行います。硬いペーパーで研いだ後、柔らかいペーパーで研ぐ事で研ぎ目が細かくなり、肌も馴染むので重宝します。

 ベースが硬いものと柔らかいもので、うまく使い分けれるようになると作業効率はグッと上がってきます。

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※こちらが2000番

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※こちらが3000番

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※こちらが持ち手となる専用のベース。詳しくは後述しますが、ブツ取りにはハードタイプ、目消しにはソフトタイプの方が良いでしょう。ただ、専用品を使わずともこういったスポンジでも代用できます。

・ポリッシャー

 エアツールになるので、揃えられる方は用意しましょう。もしくは、電動のモノもあるので購入してみるのもいいかもしれません。ただ、高価なので揃えられる方は買ってみてもいいでしょう

 オートバイの場合は大きいポリッシャーよりも小型のものを使う機会の方が多いと思います。

 又、ポリッシャーにはシングルアクションとダブルアクションがあるので、シングルアクションの方が良いでしょう。

 ダブルアクションの方がバフ目が出にくく綺麗に磨きやすいのですが、オートバイのパーツ様な入り組んだ、小さなパーツはシングルアクションの方が細かく狙え、更に研磨力も強いのでオススメです。しかし、その分扱いが難しいので慣れは必要かもしれません。

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※エア式シングルミニポリッシャー

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※電動式シングルポリッシャー

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※大きい電動式シングルポリッシャー。正直バイクだとタンクくらいかな?使えるのは。あとはハーレーのサドルバックとかフロントフェアリングとかなら良いかもしれません。又、車にも使いたいって!って言うのであれば検討の余地ありです。

 基本的にどの商品もプロ使用なので比較的高価です。特に電動ポリッシャー笑
 他にも安価なものはたくさんありますが、現場で1日中ポリッシングをしていた自分としては『うーん…』って感じです。
 軽く磨いてツヤが出ればOKなら良いのでしょうが、しっかり磨き上げたい!と言う場合にはスペック不足なのではと思います。(安くて良いモノもあるでしょうが)
 
 なので、ここではプロ使用のものを紹介しときますね。

・バフ

 バフはウールタイプとスポンジタイプがあります。

 基本的にはウールタイプで目消しや、肌の調整、艶出しなどを行います。なので、作業の殆どはウールタイプで行うことになります。

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 スポンジタイプは仕上げ用なので、最後の仕上げの際に使います。又、普段乗っているバイクを軽く磨きたい時などは、こちらの方が研磨力が弱いのでサッと磨けて良いかもしれません。

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 注意点として、どちらのバフも扱いには気を付けましょう。表面に砂利などを噛んでしまうと、塗装面が傷だらけになってしまいます。

 自分はそれでひどい目に遭ったので、皆さんも気を付けてください。笑

・コンパウンド

 コンパウンドも本当にたくさんのモノがあるのでどれが一番!っていうのも非常に難しいのですが、自分は3Mさんのウルトラフィーナというのを使っていたので参考にしてみてください。

 コンパウンドは種類によって粒度が違うものを使い分けて行います。

 シンプルなのは目消しと仕上げの2種類で完結するパターンですね。

 モノによっては3種類だったりするので、個人で行うには2種類の使い分けで完結するタイプの方が分かり易くてオススメです。ちなみにウルトラフィーナは2種類完結タイプです。

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※目消し、肌調整用なのでちょい粗めです。まずはこれで磨きます。

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※仕上げ用です。極細目なので研磨力は控えめですがツヤと深みが出てきます。

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※基本的には2種類で完結ですが、さらにこれを使う事でツヤ感と深みが増します。

 以上が主に必要な道具になります。本格的に行うともっと色々道具を使ったりするのですが、DIYで行うのであればとりあえず十分かと思います。

 では、次回は具体的な手順に続きます。

磨きで塗装のクオリティは断然上がる!!〜本格的な磨き方を教えます〜【No.2】
皆さんこんにちは。FLAG-UP代表の中島照文です。  前回に引き続き磨きです。  今回は具体的な手順や、ポイントについてあげていきます。 磨き作業の進め方  まずポリッシャーの有る、無しで大分作業性は変わってきますし、クオリティも変わって...

 ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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