皆さんこんちは。aohitoです。
前回は補修用のパテの説明をしました。
今回からは実際の作業手順を細かく解説していきますね。
まずはその前に、前回の続きの上塗り工程の説明からです。
それではいきます!
上塗り(ベースコート、クリアコート)
上塗り塗装というとベースコート(=色の塗装)とクリアコートの事を言う場合もありますが、ここではベースコートとクリアコートは分けて考えていきます。
基本的な上塗りの、システムとして、1液のベースコートに2液のクリアコートというのが、主流になっています。
ベースコートには良く2Kとかいう表示がありますが、どういった意味でしょうか?これは2液型というのを意味しています。
Kはドイツ語でKomposition=構成、配合を意味しています。英語ではCompositionでCですが、ドイツ語の頭文字のKをとっているようです。ただ、日本では単純にベースコートシステムといわれる塗料を2Kと呼んでいるそうです。
では、どういった塗料が使われているかの説明です。
ウレタン塗料
アクリル樹脂やポリエステル樹脂のポリオールとイソシアート化合物からなる硬化剤の化学反応(ウレタン反応)によって緻密な塗膜を形成する塗料。と、塗装資料には記載されていますが難しいですね。(笑)
要はアクリルやポリエステル樹脂と硬化剤を化学反応させて出来る塗料ということです。
特徴としては、耐候性があって光沢も出ます。けれど、乾燥は遅いです。
硬化剤との配合比率は2対1から10対1など幅があります。この、配合比率で塗料の性能がある程度判断出来ます。一般的には硬化剤の配合比率が高いほど、塗膜の性能は良くなります。ツヤ感であったり耐候性といったところです。分類として、アクリルウレタンや速乾ウレタン、ポリエステルウレタン等があります。
低VOC塗料
Vocとは揮発性有機化合物、つまり有機溶剤を指します。これは、大気汚染の原因になる為、世界的な環境問題への取り組みから、こういった塗料の開発が進んでいます。個人でスプレー塗装を行う場合は殆ど影響はないでしょうが、自動車産業というのは世界的にとても大きなマーケットです。なので、こういった取り組みがとても大切とされています。
水性塗料
今は、どんどん塗料の水性化が進んでいます。カーメーカーの新車ラインでは殆どが水性塗料です。こちらも、環境や人体への影響から、こういった取り組みが行われ、スタンダードなものになってきました。個人のペイントショップでも水性化が進み、今後はすべてのペイントショップが、水性塗料を扱うようになってくるかもしれまん。
塗装の手順
さぁ、やっと具体的な作業の流れをあげていこうかと思います。 長くなってごめんなさい。 殆どの方にとってあまり関係ないような話でしたが、一部の方には興味をもってもらえるマニアックな要素も入れたつもりです。まあ、知識として知っておいて損になることはありませんから、なんとなくでも読んでもらい、興味をもってもらえたら嬉しいです。 塗装というのは古典的ではありますが、日々進化もあり様々なカラーや技法、塗料が世に出てきています。 そういったものをこの記事を読んで頂いている皆様にも楽しんでもらいたいなぁと思っております。
では、いきましょう!
①付属品のとりはずし、およびマスキング
まず塗装されるモノに付いている付属品を外しましょう。例えば、エンブレムだったり、リフレクターだったりステーだったりです。もし、外す事が難しければマスキングを行います。また、汚したくない部位、削り粉や塗料のミストなどをいれたくない部位もマスキングです。例えばヘルメットなど。ヘルメットの中が汚れるのは嫌ですからね。又、タンクの中に削り粉が入るのも整備的によくないですし。
なので、面倒くさがらずにマスキングするところはしっかりマスキングを行いましょう。又、前述したように取り外しが、困難な場合はマスキングと言いましたが、なるべくなら頑張って外した方が、最終的なクオリティはよくなります。
どういう事かと言うと、塗料がいくら薄く、厚みもないからと言えど、最低限の厚みは出るものです。それが、マスキングされた部位との段差を生んでしまいます。
これが、マスキングを剥がした際、バリとなってゲジゲジした見た目になったりします。仕方ない部分ではありますが、見た目的に美しくないので大切なポイントになります。もし、ゲジゲジしてしまったら良く切れるカッターで慎重にカットしてあげて下さい。くれぐれも、塗装面を傷つけないように!
そして、マスキングを行う事による一番のリスクは「はがれ」です。マスキングを剥がす際、上に引っ張る力が当然働くので、マスキングと塗装のキワが浮いて、最悪剥がれる事があります。せっかく下地を行い、下塗りをして、上塗りを行い、磨いてという多くの行程を踏んで、最後の最後に剥がれるというのはとても残念な気持ちになります。僕も何度か経験がありますが、結構凹みます。笑
なので、なるべく外せる付属品は外して、どうしても難しい場合はマスキングを行いましょう。又、後述しますがマスキングのキワの部分はしっかりとアシ付けを行い、塗料の密着不良を防ぎましょう。
※筆のように扱えるアシ付けの道具です。マスキングのキワや、細かなところに入るので、一本あると非常に便利ですよ。
②脱脂・洗浄
では、次の行程です。実作業に入る前に部品の脱脂及び洗浄を行います。ここ、地味なトコロではありますが、とっても大切です。何故なら…
1.塗料に油分は大敵!
塗料に油分は大敵です。塗装の際、表面に油分が付着していればほぼ間違いなく、不具合が発生します。塗装したら塗料をはじいてしまったり、後にブリスターと言われる気泡のような白いブツブツしたものが出てきたり、密着不良を起こしたりします。良いことないですよね?なので、始めが肝心です。
特にオートバイはグリス等を各部に使ったり、普段のワックスを使った手入れなどで、見た目以上に油分がたっぷりです。なので、シリコンオフやワックスオフで脱脂を行い、専用洗剤、無ければ普通の中世洗剤でもとりあえず良いので水洗いを行ってあげて下さい。ヘルメットなどは当然水洗い出来ないので、良く脱脂してあげて下さい。
2.表面がキレイになれば不具合を発見できる!
表面が汚れていると、傷や凹み等に案外気づけません。どうせ、ペイントするのであれば、この後の下地作業で直してしまいたいですよね?なので、まず良く見て発見しないといけないので、ここも大切なポイントになります。
3.作業性の向上
洗浄作業が不十分だと、裏側や細かなトコロから砂利や汚れが出てきてしまいます。
特にフェンダーなどは普段、泥や雨水に晒される部分なので裏側の洗浄が不足しているとこういった事が起きます。こうなると又、洗ったり脱脂したりしないといけないので面倒ですよね?なので、しっかりと部品はキレイにして作業に取りかかりましょう。
脱脂・洗浄が終われば次の行程です。が、その前にとっても大切なポイントがあります。それは…
脱脂・洗浄後は素手で部品に触れないということ。
何故だかわかりますか?前述したように塗料に油分は大敵です。つまり、人間の脂によって不具合が起きる可能性が大いにあるということです。
時々、雑誌や動画で普通に素手でマスキングや下地作業を行っている場面を見ますが、平気なのかな?という気持ちになります。いくら塗装前に再度脱脂等の作業をするとしても、触らない方がbetterだと思いませんか?
なので、ここでは脱脂・洗浄後は手袋を着用しての作業をおすすめします。綿の手袋でも軍手でもゴム手袋(粉がついてない方が良さそうです)でもOKです。これだけで、油分はほぼカットする事が出来ます。
塗装というのは、キレイに仕上げようと思うと地味な作業を何行程も行わなければいけません。なので、こういった細かなトコロにも気を使えるのかが、最終的な仕上がりに、大きく影響してきます。
※綿の方が通気性が良いので、快適かと思います。ただ、しばらく使っていると汗が染み込んでくるので注意が必要です。
次回に続きます。
ここまで、読んで頂きありがとうございます♪
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