スパークプラグのあれこれ〜イリジウムの本当の事とか〜

オートバイの仕組みと整備
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スパークプラグについて

 ここではバイクの部分的な所にフォーカスしていきたいなと思います。

 今回はスパークプラグについてです。

まず、始めに基礎的な所から説明していきます。

スパークプラグの役割とはなんでしょうか?

 スパークプラグは燃焼室で火花を飛ばし、混合気に着火するのが役目になります。空気とガソリンが混ざりあった混合気が燃焼室と呼ばれる空間で爆発を起こし、ピストンを押し下げる。それが動力となりエンジンは動いているわけですから、とても大事は部品になります。

 ここが、おかしいとどんなに頑張ってもエンジンはかからないですからね。

スパークプラグの構成

 スパークプラグの構成としては、電極、ハウジング、絶縁碍子などです。又、ハイテンションコードも合わせて覚えておきましょう。

 ハイテンションコードとは、イグニッションコイルで発生した高電圧をスパークプラグへと伝えるのもです。炭素を染み込ませた繊維で出来ているものと、それを更にニクロム線で巻いたものがあり、どちらもその周りをゴム絶縁体で絶縁、保護して作られています。

 この、ハイテンションコードをカスタムで変更する方も多いですよね。特にNGKさんのハイテンションコードを入れている方は良く見かけます。あの鮮やかな色は目を惹きますよね。

NGK ( エヌジーケー ) 2輪レーシングケーブル (1本/ブリスターパック) 【8054】 CR4
NGK ( エヌジーケー ) 2輪レーシングケーブル (1本/ブリスターパック) 【8054】 CR4

 ハイテンションコードの抵抗値を下げ火花のエネルギーを向上させる。それにより、始動性、加速性、安定性などに優れた製品となっているようです。

 スパークプラグに戻ります。スパークプラグはハウジングに支持されて、先端に電極が設けられています。ハウジングは碍子を支持し、エンジンに取り付ける為のものです。絶縁碍子はアルミナ磁器で作られていて、電極の支持と高電圧の漏電を防ぐ役割があります。

 ちなみに、アルミナ磁器とは酸化アルミニウムを焼成して磁器化したものです。耐熱、耐食性に優れていて、機械的にも強く絶縁性能も高いという特徴があるようです。

 電極は中心電極と接触電極の両方の事を指しており一般的にはニッケル合金で作られています。

スパークプラグの性能

 スパークプラグは圧縮された混合気を燃焼させるために作られているので、耐熱性や圧縮を逃がさない気密性などが求められます。

 又、電極の温度も適温に保たれなければ安定した燃焼を繰り返し行う事が出来ません。その為には、絶えず行われる燃焼による熱を逃さなければいけません。この、放熱の度合いはスパークプラグにとって、とても大切なポイントになります。

 放熱しにくく、熱を溜めてしまい電極の温度が高くなりすぎると、この熱くなった部分が熱源となってしまい正しい点火のタイミングより前に混合気が燃焼を始めてしまいます。これを、過早点火と言います。これでは、適切なタイミングでの燃焼の力を受ける事が出来ず、ノッキングの原因となってしまいます。

 今度は逆に放熱し過ぎるとどうなるでしょう?過度な放熱によって電極の温度が下がると、燃焼時に生じたカーボンが碍子に付着してしまいす。すると、絶縁不良となりこの部分で高電圧がリークして、電極部分て放電が行われなくなります。これも又、正常なエンジンの働きを得ることが出来ません。

 なので、エンジンの運転状況に応じて、電極部の温度を適温に保たなければいけません。この温度は一般的には約500°〜800℃と言われています。

 しかし、スパークプラグの受ける熱は一定ではありません。エンジン回転数が低いときには電極部温度は低く、回転数が高いと温度は高くなります。どんなときでも対応できるスパークプラグがあればいいのですが、そうはいきませんよね。(笑)

 したがって、低回転での走行が多い車両には放熱しにくい特性を持ったスパークプラグを装着する。高回転での走行が多い車両には放熱しやすい特性を持ったスパークプラグを装着する事で対応しています。

 この、放熱しにくい特性を持ったスパークプラグを低熱価型(ホットタイプ、焼け型といいます。逆に、放熱し易い特性を持ったスパークプラグを高熱価型(コールドタイプ、冷え方)と言います。

 低熱価なのに、ホット?って感じで始めは違和感があるかもしれません。実際僕も、専門学校時代の模擬試験の時に『あれっ?』となった記憶があります。放熱しにくい=熱を持つ=だからホットタイプ=エンジン回転数が低めと想定される車両に使われる。

 こういう感じで覚えてもらえればいいかと。逆を言うと…

 放熱し易い=熱を持ちにくい=だからコールドタイプ=エンジン回転数が高めと想定される車両に使われる。こんな感じです。

低熱価型と高熱価型の構造の違い

 では、この低熱価型と高熱価型ですが構造的な違いはどこにあるのでしょうか。これはズバリ碍子脚部(電極側の先の辺りをいいます)の長さです。

 低熱価型は碍子脚部が長く、高熱価型は逆に短いのです。そして、標準型はその中間に位置します。

 この長さを変える事によって放熱の度合いを変えているのです。低熱価型は碍子脚部が長いので、熱を受ける面積も大きくなります。又、放熱経路も長くなる事から熱をもち易くなります。高熱価型は碍子脚部が短いので熱を受ける面積も小さく、放熱経路も短いので熱をもちにくくなります。これが、両スパークプラグの構造的な違いになります。

スパークプラグの自己清浄温度

 スパークプラグにおいて大切なポイントは他にもあります。それは自己清浄温度といわれるものです。

 燃焼時に発生したカーボンが碍子に付着すると絶縁不良となり、高電圧がリークするというのは先ほども述べました。このカーボンは電極が一定以上の温度になると、焼き切れて通常の絶縁状態に戻ります。この、カーボンを焼き切る現象が始まる時の温度を自己清浄温度と言い、約450℃程度です。

 又、電極の温度が高くなり過ぎると電極以外の部分が熱源となり適切な点火タイミングより前で燃焼を始めてしまう事を過早点火と言いますが、この温度は約950℃程度です。

 つまり、自己清浄温度の450℃を下限温度とし、過早点火を起こしてしまう950℃を上昇温度とし、電極の温度が500℃~800℃の間にあって初めて、スパークプラグはベストな働きが出来るということです。

 この範囲の中で低熱価型と高熱価型、標準型が設定されています。

着火と着火ミスについて

 スパークプラグは火花を飛ばして、一瞬にして着火、燃焼をさせるのですがここをもう少し詳しく説明していきます。

 まず、電極から火花が飛ぶと、火炎核といわれる燃焼の核となる部分が発生します。これが、混合気に広がっていき燃焼を始めるのですが、これと同時に燃焼を抑えようとする作用が同時に働きます。これは、電極の消炎作用と言われ、電極の冷却作用で火炎核の熱が奪われて核の成長を妨げてしまうのです。

 この作用が強すぎると火花が飛んでいるにも関わらず正常な燃焼が起きないという事態になります。これを着火ミスと言い、混合気の流速が高過ぎる場合にも起きやすくなります。

 又、混合気の空燃比がずれて薄かったり、濃かったりしても適切な燃焼は起きず着火ミスが発生します。

 もう一つはスパークプラグのギャップが狭い時です。中心電極と接触電極の距離が近すぎると消炎作用が強くなって火炎核が育たずに着火ミスが起きます。

着火を向上させるには

①プラグギャップを広くする。

 プラグギャップを広くすると、消炎作用が弱まり、反応する燃焼も多くなるので着火性が向上します。

 しかし、その分要求電圧も高くなり、その電圧を満たせなければ火花は飛ばないので、広ければ良いというわけではありません。

②中心電極を細くする。溝を掘る。

 電極が細くなると火花が飛びやすくなり消炎作用も抑えられます。接地電極に溝を設けたり、中心電極に溝を掘ると、火炎核が小さいうちに冷却されにくくなります。すると、火炎核が育ちやすくなり、着火性が向上します。

③中心電極の突き出し量を大きくする。

 碍子脚部の戦端がハウジングより突き出しているものをプロジェクトタイプと呼び、基本的に僕たちがよく見るタイプのプラグがこれにあたります。

 突き出しを多くする事によって燃焼成分とさらされる機会が増えるので、着火性がよくなります。突き出し量が大きくなる程、薄い混合気でも着火が可能となります。

 ただ、燃焼室に付き出しているわけなのでバルブやピストンとの兼ね合いから、限度はあります。

④中心電極に白金やイリジウムを使う。

 これは、中心電極に白金やイリジウムを使用することで、耐久性を大幅に向上させることが可能です。又、中心電極電極を極細化する事も可能になり、冷却作用を抑えると共に、強い火花を飛ばす事もできるようになりました。

イリジウムプラグについて

 さて、みんな大好きイリジウムプラグなのですが、耐久性も良く火花も強くて1万キロ2万キロ交換しなくてオッケーと認識されてる方も多いかと思います。

 ですが、実はオートバイに関してのイリジウムプラグの交換時期は5000キロ程度が推奨されています。ここ、勘違いというか間違ってしまっている方、案外多いんです。

 詳しくはNGKさんやDENSOさんのwebサイトに記載されていますので、ここでは簡単に。

 プラグの電極は先程述べたように中心電極と接触電極があります。この両側にイリジウム等が使われているものは長寿命なのです。が、オートバイに関してはほぼ全てが、片側のみの使用となっています。よって、イリジウムプラグだから交換しなくてもほぼオッケーとはならないので注意が必要です!

最後に…

 いかがだったでしょうか?スパークプラグについての知識は深まったでしょうか?
 ここに記載されていることが頭に入っていれば、一般のバイク乗りとしては完璧でしょう。むしろ詳しいくらいだと思います。(笑)
 バイクの全体を知り、そこからポイントで知識を深めていければ、より安心してバイクと長く楽しく付き合っていけるのではないでしょうか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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