皆さんこんにちは。FLAG-UPの中島照文です。
今回は、前回の続きから
塗装の種類や補修用塗料についての解説です。
それではいきましょう!
下塗り
プライマーという塗料を塗装する工程です。防錆効果があり、次に塗装される塗料の密着を向上させる働きがあります。特に鉄系の部品には必須の工程です。
下地処理を行い、素地の状態になったパーツは放っておくとスグにサビ始めます。サビが残っている上に塗装をした場合どうなるか、大体想像付きますよね?
プツプツとした点が出てきたり、ミミズ腫れの様に塗膜が浮いてきます。そうなってしまったら再度、塗膜を剥離して素地の状態から作業をしなくてはならなくなります。なので、この下塗り(プライマー)はとても大切な工程になります。
中塗り
サーフェーサーを塗装する工程になります。プライマーと上塗りの付着性を向上させたり、充てん性、隠蔽性を目的に塗装されます。
経験上、サーフェーサーを吹くことで、確実に仕上がりは向上します。素地の状態で綺麗に成形されているものや、一度仕上がった塗装面に対しての再塗装であれば、下地の状態が良好なので、必須というわけではありませんが、基本的にはサーフェーサーを塗装した方がbetterでしょう。後の上塗りが綺麗に仕上げられます。
サーフェーサーを吹くと下地の荒い部分やうっすらとした歪み、パテで成形した部分の段差のキワなど、それらをカバー出来るのはとても大きなメリットになります。新車の製造ライン等では環境対策で中塗り塗装を省いている場合もあるようですが、DIYで行う場合はちゃんとサーフェーサーを塗装する事をお勧めします。
上塗り塗装
着色を目的として、色(ベースコート)を吹きます。一番『塗装』らしい工程ですね。ここで如何にムラなく綺麗に塗るかがポイントです。色によって染まり易い、染まりにくい(業界では染まるよりトマルという言い方をします)があるので、数回に分けて塗ります。
基本的にソリッドのベースコートは何回塗っても色味が変わるわけではないので、しっかり染まっているか不安であれば、多めに塗ってもOKです(限度はありますが)。
クリアコート
最終的工程です。綺麗な発色やツヤをだすことで、高外観を目的として、下塗り、中塗り、上塗りの塗装を保護します。
一つ一つの工程をしっかりと行い、最後にクリアコートされたパーツは、一つの工芸品のように美しく仕上げる事ができます。最近ではマットクリアも流行っています。あえて、ツヤを引かす事で、独特の高級感を狙った塗装ですね。
これらが塗装の工程となります。 基本的にはこの下塗り〜クリアコートまでの工程を踏んで塗膜は形成されています。 どれも大切な工程なので一つ一つの役割をしっかりと理解しておくと良いでしょう。
塗装の種類
ではここで、いろいろな塗装の種類についてあげていきます。
ソリッドカラー
着色された1種類の層だけで構成されています。メタリックやパールのキラキラした感じを含まない、いわゆる普通の赤とか黒といったものです。(例)素地→黒→クリアコート こういったイメージですね。
メタリックカラー
着色された顔料にアルミ顔料等を含んだものです。キラキラと光るあのイメージです。メタリックを入れることでキズ等が目立ちにくくなるので、単純なソリッドよりメタリックの方が僕のまわりでは人気があります。高級感も出ますしね。
パールカラー
パールカラーには2種類あります。1つは着色された顔料にパール顔料を混ぜたもで、2コートパールと呼ばれます。もう1つは着色顔料の上にパール顔料を塗装するもので、3コートパールと呼ばれます。角度によって、微妙に色味が変化して見えるのが特徴で独特の高級感があります。
マルチカラー
いわゆるマジョーラカラーです。マジョーラカラーというのは日本ペイント様の製品名なので、意味合いは異なるのですが、「マジョーラカラー」と言った方がピンとくる方は多いと思います。光の当たり方によって見え方が変わる特殊な顔料を含んだ塗料で吹きます。
キャンディーカラー
クリアに色を混ぜたものや、専用のキャンディー塗料を用いた塗装です。ソリッド色の上に重ねることで、深みや透明感をだす事ができます。イメージでいうと薄いセロファンを下色に重ねるような感じです。カスタムペイントではよく使われる塗装です。
マットカラー
クリアにつや消し剤を入れて、仕上げる塗装です。新車でのラインナップが増えたのか、ここ最近よく見かけるようになりましたね。ツヤの消し具合は調整出来るので、好みのツヤ具合で塗装できます。狙ったツヤにするのは難しいですけどね。(笑)
高級感があって個人的には好きなのですが、キズを入れてしまったらどうする事も出来ないのがデメリットかと思います。通常のクリアコートであれば、研いで磨いてキズを消す事も可能ですが、マットは磨くとツヤがでてしまうので、それが出来ないのです。
なので基本的には水拭きや専用の洗浄剤でメンテナンスしてあげて下さい。間違っても磨かないように!そこだけピカピカになって非常に目立ちます。そうなってしまったら補修も出来ないので基本的には塗り直しです。
又、表面がこすられるのでメンテナンスのやり過ぎでもツヤは出てきます。なので、その変化も楽しめると良いのかなと個人的には思っています。
機能性クリアコート
クリアに特別な機能を持たせたものです。例えば、撥水性や親水性を持たせたり、キズに強くさせたりといった効果を持たせています。カワサキのH2も小傷であれば自己修復するクリアコートと謳っています。今後もこういった機能をもった塗料が増えてくるのが楽しみですね。
これらが主な塗装の種類です。 カスタムペイントの世界ではエアブラシを使ったリアルなグラフィックやラップを用いたマブライザーなどもあります。 他には、塗装とは違うかもですがピンストライプやリーフ貼りなどもありますね。
補修用塗料
では、ここから補修用塗料について、あげていきます。
塗装において、とっても大切な部分になってきます。僕も以前はそうでしたが、塗装といわれるとつい、ガンを握って色を吹くところのイメージが強く、そこが一番のポイントだと思っていました。しかし、塗装の仕事に関わってくると、下地こそ一番のポイントだなと、思ってくるようになりました。
もちろん塗りの行程がとても大切な事に変わりはないのですが、下地がいい加減だと、いくら上に綺麗な色を乗せた所で、おかしなシミが出たり剥がれたりといった不具合が出るというの見てきたので、やはり下地は大事だなって思います。
いくら立派な豪邸を建てたとしても、基礎に当たる部分がテキトーだとその豪邸は絶対倒れちゃいますよね?それと、同じだと思っています。
なので、皆さんもこれから塗装にチャレンジするのであれば、早く塗りたい気持ちを押さえて、下地の部分は絶対に手を抜かないようにしましょう。
ここではまず、どんなものを使うのか、その種類と特徴をあげていきます。
下地塗料
まず、下地塗料とは金属面であればサビの進行を押さえる防錆効果があり、表面の凹凸を滑らかにして元の形に成形する役割があります。ブラスチックや、FRPに防錆効果は必要ありませんが、同様の機能を持ったものを使用します。
種類は行程順にいくと、表面処理剤、パテ、プライマーサーフェーサー(プラサフ)に大別できます。
表面処理剤
下地作業が行われ、素地がむき出しになった金属はそのままにしておくと、空気中の水分や酸素の作用でスグにサビが発生してきます。なので、防錆処理は必須作業となります。そういった金属に強いのがウォッシュプライマー(エッチングプライマー)と云われるものです。主な成分として、リン酸、クロム酸亜鉛などです。これらの成分が金属と反応して、皮膜を形成します。それにより、高い防錆効果と密着性を発揮します。
プラスティックには防錆効果は必要ありませんが、高い密着性を狙ったプラスティックプライマーがあります。
表面処理剤には万能型のプライマーも存在します。金属でもプラスティックにもいけるよーと謳っているものです。ただ、個人的には、やはり素材に合わせた専用プライマーを使った方が、後の事を考えると良いのかなと思います。
せっかくきれいに塗っても後で、はがれたり、サビてきたりするリスクを少しでも減らしたいので。
次回、補修用パテの解説に続きます。
ここまで、読んで頂きありがとうございます♪
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