皆さんこんにちは。aohitoです。
前回に引き続きバイクの走行性能についてです。前回は基本的な所と慣性力についてでした。
今回は走行性能に大きく関わるフレームやサスペンションについてです。
それではいきましょう!
フレームの剛性
車体のフレームやスイングアームに十分な剛性があると操縦安定性が得られるので安定した走りが可能なバイクと言えます。
また、フレームなどの部材だけが剛性に影響するのではなく各部の締め付け部分も剛性に関わっているので正しい手順、正しいトルクというのが非常に大切です。
特に大きなトルクが必要なエンジンハンガやスイングアームのピボッド部などは重要な部位と言えます。
又、事故や転倒によってフレームが歪んだり、潰れたり、割れたりしているものは十分な剛性と強度が得られない可能性が高いので、新品と交換するのが理想です。
「溶接やバーナーで修正するのはどうなの?」と思うかもしれませんが、高熱によって材質が変化して性能が落ちる可能性があるので、基本的には避けたほうが無難かと思います。
剛性と強度
剛性と強度の違いっご存知でしょうか?混用してしまっている方も多いかもしれません。
ここもバイクを知る上でよく出てくる単語なのでしっかりと違いを理解しておきましょう。
剛性
剛性とは車体をバネとしたときのバネ定数にあたります。
バネ定数とは簡単にいうと材料の伸びやすさを表す値で、大きい程硬いといういう風になります。バネに硬い、柔らかいがあるのと同じでバイクにもそれぞれの性格に合わせた値があります。
なので、剛性値の高い低いがそものものがバイクの性能の良し悪しをあらわすわけではなく、操縦安定性に関わる数値という風に理解してもらえればいいかなのと思います。
強度
こちらも車体をバネとしたときの応力の限界にあたります。
簡単に言うと「これ以上引っ張られた、壊れるよ!」といったものを表す数値と思ってもらえれば良いかと思います。
なので、強度は単純に壊れにくさを表すもので、強度は剛性より優先されます。
以上のことを踏まえると、例えば『剛性不足でフレームが割れた』とか『強度が高いから操縦性がいい』っていうのは間違った使い方になりますよね?正しくは『強度不足でフレームが割れた』、『剛性が高いので操縦性がいい』といった使い方になります。 まー実際は意味が伝わればいいんですが、正しく使えた方がかっこいいんじゃない?と思います笑
バンク角
これもよく聞く言葉で、バイク乗りは当たり前に使っています。バンク角はバイクが旋回する為に与えられた角度を示していて、ライダーが角度を感知しやすいようステップの下側にはバンクセンサー取り付けられています。
このバンクセンサって言葉を案外知らないバイク乗りも多い気がするのですが、みなさんの周りはどうでしょう?
見た目の為に外してしまう方もおりますが、もしすり減ってきたら新品に交換というのが一応、推奨されています。
フレームの種類
では、ここからフレームの種類と特徴についてあげていきます。
フレームはその機種の排気量やデザイン、エンジン型式などコンセプトに応じた設計がされており、形状も素材もは様々です。
高速域で走っているときに剛性が低く、グニャグニャしたフレームでは安定性に欠けて安心して乗ることは難しいでしょう。なので、高速で走るには高い剛性が求められます。
しかし、剛性が高過ぎると扱いにくさが出てくるので、初期の設定の段階でどういったコンセプトのバイクなのか様々にシュミレートして、総合的に決められるそうです。
クレードルフレーム
一番オーソドックスなタイプのフレームでネイキッドモデルなどに多く採用されています。
ステムなどの操舵系が取り付けられるステアリングヘッドパイプ、タンク下にあってエンジン上部を通るメインチューブ(メインフレーム)、ステアリングヘッドからエンジン下回りを支えるダウンチューブ(ダウンフレーム)などで、エンジンを囲い込むような形状のフレームです。
剛性が高く、中大型車など広く採用されています。
クレードルフレームにはダウンチューブの数と形状によって、それぞれの呼び方があります。
ダウンチューブが1本だけのものをシングルクレードルフレーム、2本使用しているものをダブルクレードルフレームと言います。
又、1本から途中2本に別れていくものもあり、それをセミダブルクレードルフレームといいます。
バックボーンフレーム
フレームが背骨のように一本通り、そこにエンジンが、吊り下げられるような感じで搭載されるフレームです。
エンジンの下部を支えるダウンチューブを持たないシンプルな構造で小型の車両に多く使われます。例えばホンダのダックスやカブなどがあげられます。
アンダーボーンフレーム
主にスクーターに使われるフレームです。
なので、メインフレームは足元のフロア下を通ります。後ろはシートレールとエンジンを懸架などの役割を果たします。
ダイヤモンドフレーム
エンジンをフレームの一部の強度部材として考え、強度、剛性を得ようというのがこのフレームです。バックボーンと同じくエンジン下のダウンチューブを持たない構造になっています。
ツインチューブフレーム
これもダイヤモンドフレームの一種になります。ダウンチューブをもたずにエンジン上部のメインフレームでエンジンを持ちますが、そのメインフレームが2本にわかれているのでツインチューブといいます。
2本の太く湾曲したフレームでエンジンを抱え込むような形になっており剛性が高く、スポーツ系車両に多く使われています。
フルカウルの、バイクなんかは殆ど?このタイプを使っているんじゃないですかね?
これらが、主なフレームの、種類になります。細かく言うと他にもあるのでしょうが、だいたいはこれらのフレームで作られています。
サスペンションの基礎
では、これからサスペンションについてです。車体を構成する主な部分の1つで、なくてはなら部位になります。フレームの機能と併せて車両の安定走行に影響してくるのでサスペンションの機能も知ってもらえれば、より深く理解出来るかなと思います。
ではまず、サスペンションの二つの主な役割です。
・緩衝作用
これがパッと思いつくサスペンションの機能かなと思います。どんな路面でも凹凸がありその上を走っているバイクにも当然振動は伝わってきます。
その衝撃を吸収する働きを緩衝作用といいます。この働きによって乗り心地が向上します。
又、走行中の衝撃からライダーと車両各部を守る役割もあります。
・制振作用
バイクが凹凸を乗り越える時、サスペンションのもつバネの働きだけでは、伸びたり縮んだりを繰り返し不規則な動きになってしまいます。その動きを抑えるのが制振作用です。
これにより、タイヤのグリップ力を高め、駆動力や制動力を確実に路面に伝えることができます。又、コーナリング中の安定性を高めることにもつながります。
スプリングとダンパー
上記のふたつの作用が主なサスペンションの役割です。そして、それぞれその役割を担っているのがスプリングとダンパーです。
オートバイは走行中、路面からの衝撃をスプリングが吸収してくます。なので、極低速ではこのサスペンションの働きだけでも普通に走行する事は可能です。
しかし、徐々ににスピードを上げ。中速域から高速域へと入っていくと、スプリングの縮む力だけでは路面からの衝撃を吸収出来なくなります。更にスプリングがいつまでたっても落ち着かず振動が収まらなくなってきます。
なのて、そこにダンパーを組み合わせる事で強い衝撃の吸収が可能になり、スプリングの振動も素早く減衰させる事ができるようになります。
よって、サスペンションというのはスプリングとダンパーという2つの役割を持ったそれぞれの部品が組み合わさって出来たものであり、どちらの作用も確実に働く事でサスペンションとして安定した機能が果たせるということになります。
No.2は以上です。バイクにおいてサスペンションは奥が深く、担う役割も大きいのでなるべく分かりやすくお伝えしたつもりです。次回もサスペンションが中心になっていくので、次回もご覧下さい。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
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