スプレーガンの基本を解説!〜構造からペイント時のガン距離について〜

塗装の知識と実践
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 皆さんこんにちは。aohitoです。

 前回はスプレーガンの種類について解説しました。

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 今回は、そんなスプレーガンの構造と塗装時のガン距離について解説していきます。

 それではいきましょう!

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スプレーガンの構造

 では、スプレーガンの構造を説明していきます。スプレーガンは圧縮空気がノズルの外へ吹き出して、一気に膨張する力で塗料を微粒化(細かく霧状にする)して塗装する仕組みになっています。

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プロ御用達のデビルビスです。プライマー、サーフェーサー用とベースコート、クリア用で二本あると良いですね。理想はベースとクリアも分けたいところですが、お財布と相談ですね。笑

 ポイントは2つ!トリガーと3つの調整ネジです。

トリガー

 引き金です。これを握る事で、塗装するのですが、トリガーの握りには二段階あります。

 1段階目は空気だけを出します。普通のエアダスターガンのように圧縮空気だけを出します。

 そこから更に握り込む事で塗料が出てきます。これが2段階目です。この握り具合を調整して、塗装は行われています。

調整ネジ

 スプレーガンには3つの調整ネジがあります。

 上からパターン調節ネジ、塗料吐出量調整ネジ、エア量調節ネジです。

 3つのネジを物体に対して上手く調整する事で理想的な塗装作業を行います。

パターン調節ネジ

 パターンとは塗料か噴射される広さや、形状です。ネジを締めると円形に近くなり面積は狭くなります。逆に緩めていくと楕円に近くなり、面積は広くなります。

塗料吐出量調節ネジ

 これは塗料の噴射量を調節するネジです。締めると調整塗料の吐出量は少なくなり、緩めると多くなります。

エア量調節ネジ

 これはエアの出る量を調節するネジです。締めると少なくなり、緩めると多くなります。

ケースに応じたネジの調節方法

 以上の3つのネジを上手く調節して塗装は行われています。

 ネジの開閉具合は締め込んだ状態からの回転数で表す事が一般的です。例えば、一回転半開けたければ、1と2分の1回転などと表します。

 では、どのように調節して塗装をしていくのか?

 例えば、入り組んだ狭いところを狙いたい時などは、パターンを狭くして、エア量を下げるといった感じです。そうする事で細い線でしっかりと塗料が噴射され、奥までしっかり塗料が入っていくといった感じです。しかし、その分狭い範囲を塗装するので、タレやすくなります。なので、その辺もしっかり考慮しておきましょう。

 逆に、広く平らな面を塗りたい時はパターンを全開にして広くします。するとエア量も必要になってくるのでエア量調節ネジも開いていきます。そうする事で広い面もしっかりと塗り込む事が可能になってきます。ただ、こちらは逆に狭い所がしっかり塗れていなかったりする事もあるので注意しましょう。

 ただ、実際の所、この辺はプロのスプレーマン達それぞれにやり方やこだわりがあるので、一概には言えません。エア量に関しては、ネジで調節せずに、握り具合だけで行う方もいらっしゃいます。

 なので、皆さんには“基本的にはこんな感じ”というように覚えてもらえればオッケーです。

 塗料の吐出量に関しては、その時のコート数やどんな塗料を使うかによって全然違ってくるので、なんとも言えませんが、ベースコートは絞り気味、クリアコートはもっと開ける。サーフェーサーは更に開けるみたいなイメージです。あくまで、イメージですけどね。

まとめると…

狭いところを塗りたい!

 パターンは絞り気味で、エア量もそれに合わせて落とします。ここで、エア量が高過ぎると部品が動いてしまうくらいのエアになってしまいます。なので、低めに抑えましょう。

 しかし、低すぎてもダメで塗料がダマダマっぽくて出てしまってボテボテした肌になってしまったりするので、これも注意です。

広いところを塗りたい!

 パターンは開け気味or全開で、エア量もしっかり開けていきます。すると広い面積が気持ちよく塗れます。しかし、細かいところまで、塗料が届かないこともあるので、注意しましょう。又、エアがたりなくてもしっかり塗り込めない事もあります。

吐出量は?

 塗料の吐出量はその時の塗料や場合によるので、一概に言えません。

 けれど、それじゃアレなので例として、

・ベースコート→1と2分の1回転

・クリアコート→2回転

・サーフェーサーやスプレーパテ→ 3回転or全開

みたいな感じです。参考にしてみて下さい。

ノズル口径

 スプレーガンを選ぶ際、大切なのが口径です。口径は0.8から1.8ミリの範囲で設定されています。ベースコートやクリアコートは1.3ミリ前後、サーフェーサーやスプレーパテは1.8ミリ前後で選ばれています。

では、実際に塗っていきましょう!

 まずは、塗料をそのままでは塗る事ができないのでシンナーで希釈します。この辺の割合は、塗料の種類にもよりますし、気温や湿度、塗装する物体の大きさなどにも応じて変わってきます。

 なので、扱う塗料のマニュアル等を参考にしましょう。一般的には冬は乾燥を遅くして夏場は早くします。これは塗膜のレベリング(塗料が延びて自然に馴染んでいく事)を良くする為です。

塗料を作ろう!

 そしたら塗料を作ります。2液性(硬化剤が別に別れているもの)を使用する場合は配合しなければいけませんので、計量器が必要になってきます。ここで、正確に塗料を配合しましょう。

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 硬化剤は多くても少なくてもダメで、本来の性能を発揮できません。又、その後のトラブルにもつながるので、しっかりと配合を間違えないようにしましょう。

 正確に配合ができたらよーく混ぜます。しっかりと攪拌する事で塗料同士の反応が良くなり良い塗膜を作ってくれます。

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スタンドと攪拌棒がついたセット品です。この量を考えると結構お得かと。

 2液性の場合はこの時点でもう反応が始まっています。この、塗装出来る時間をポットライフ(可使時間)と、言います。ポットライフは各マニュアルに書いてあると思うので、確認しておきましょう。又、この時間が過ぎた塗料は使わないようにしましょう。

 1液の場合はシンナーで希釈すればOKです。

スプレーガンに塗料を入れよう!

 では、塗料カップに塗料に入れていきます。が、その前にスプレーガンを1度洗浄しておきましょう。洗浄の仕方ですが、

①カップに洗浄用シンナーを入れる。ラッカーシンナーなどです。それで、中に残った塗料をよーく洗います。場合によっては柔らかい刷毛などで洗ってあげましょう。

②カップ内が綺麗になったら洗浄用シンナーを入れる。

③ノズルの先端を押さえて、トリガーを握る事でエアがカップの方へ逆流する。すると、

“うがい”のような状態になりガン内部に残っていた塗料が出てくる

④このうがいを数回繰り返してシンナーが濁らなくなればオッケーです。

⑤ノズルとノズルキャップを外して綺麗に拭き取る

⑥ガン本体を綺麗に拭き取る

⑦ノズルキャップをシンナーに浸けておく。

⑧使用回数が増えてきたら場合によって、ニードルやカップを外してシンナーで洗浄する。

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洗浄なので安価なものが良いでしょう。

 ざっとこんな感じです。塗装前の洗浄はもう綺麗になっているはずなので、ここまで念入りにやる必要はありませんが、最低でも1回はうがい洗浄はしておきましょう。

 その後、塗料をカップに移すのですがストレーナーといわれるフィルターを通して入れます。それは、塗料内のゴミなどの異物が混入するのを防ぐためです。

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塗装作業のポイント

 では、これから塗装を行います。が、その前に物体をよーく脱脂しましょう!これも大切な作業です。

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弱めの溶剤です。間違ってもラッカーシンナーで脱脂しないよう!溶剤が強いので下地も侵してしまいますよ。

しつこく言ってきましたが、油分やゴミやホコリは塗装のクオリティを落とします。なので、塗装前にまずはしっかりと脱脂を行います。その後、用意があればタックラグを当てながらエアブローを行いましょう。タックラグが無ければエアブローだけでもオッケーです。

 塗装をする際に意識しなければいけない2つの大切なポイントがあります。それが、ガン距離と送り(はこび)です。

ガン距離

 塗装される物体とスプレーガンの距離をいいます。これが、近づいたり離れたり不安定だと、ムラだらけの仕上がりになってしまいます。

 なので、塗装の際にはこの距離を一定に保たなければいけません。四角いものでも、丸いものでも距離を一定に保てるようになればオッケーです。初めては難しいかもしれませんが意識してやってみましょう!

 ガンの適正な距離は塗料や作業内容によって変わってくるので、これまた一概には言えませんが、だいたい15センチから25センチ程度です。

 この距離が近すぎると、必要以上に塗料が乗ってしまいタレやすくなります。逆に遠過ぎるとしっかり塗り込めずに薄くなり、ザラザラした肌になってしまいます。(ボカしたり、ムラを消したり、色を合わせる為にあえて遠くから塗る事もあります)なので、適正な距離を意識して下さい。

 又、ガンの角度も物体に対して直角です。斜めにガンが向いているとしっかり塗れなかったりムラの原因になるので、ここもしっかり意識しましょう。

ポイント→角度は直角で20センチくらいを意識して塗装しよう!

 次回はスプレーガンの送りと、サーフェーサーからの塗装を例に塗装の流れを解説していきます。

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皆さんこんにちは。aohitoです。  前回はスプレーガンの構造とガン距離を解説しました。  今回は塗装作業のもう一つの大切なポイント“送り”と、実際の塗装の流れに沿って“プライマーの塗装”から順に解説していきます。  それではいきましょう

 ここまで読んでいただきありがとうございます♪

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