ケース毎のサーフェーサーの下地方法【No.3】〜パテを使って凹みを直そう!〜

塗装の知識と実践
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 皆さんこんにちは。aohitoです。

 前回は剥離剤やキズ修正を行った場合の下地方法を紹介しました。

ケース毎のサーフェーサーの下地方法【No.2】〜剥離剤やキズ修正を行った場合〜
皆さんこんにちは。aohitoです。  前回に続きケース毎のサーフェーサーの下地方法です。  それではいきましょう! ①塗膜の密着が悪い場合(つづき…)  塗膜が、密着していないとこのフェザーエッジがキレイに取れずにどんどん、塗膜が剥けて来

 今回はサーフェーサーを塗装する為の凹みの修正方法です。パテ作業は初めてだとなかなか難しいです。なのでここを読んでしっかり勉強して実践してみてください!

 それではいきましょう。

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へこみ修正

 まず凹みの修正についてです。

 タンクやフェンダーなどが、事故や立ちゴケでへこんでしまった場合はパテによる修正を行います。鉄形のフェンダーやサイドカバーなどは、裏側から叩けばある程度の形を出すことが出来ますが、同時に塗膜がワレてしまっている事も多いです。又、タンクに関しては裏側から叩くというのはなかなか困難かと思います。

 なので、タンクがガッツリと凹んでしまった場合にはプロにお任せするか、代替え品を用意するのが良いかと思います。スタッド溶接機と言われる工具で引き出す事は可能ですが、一般の方が所有するのは難しいでしょうし、だったら他の部品を探した方が安く済み、確実でしょう。

 又、大きくへこんでしまったタンクは穴が空いてしまっているケースもあります。もし穴が空いてしまっていたら、いくらパテ修正を行った所で、後から絶対にガソリンが染み出してきますので、そういった場合はプロへ依頼するか交換をしましょう。

手順解説

 では実際の手順を解説していきます。

 凹み修正を行う場合は、まず周囲の塗膜をしっかり落とし切りましょう。

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エアツールが使える環境の方は、使用した方が圧倒的に早く楽に行えます。多少、高価ですが信頼性のあるメーカー品なので、長く使えますよ。僕のもコンパクトツールです。

 部品が凹むというのはそれ相応の力が加わったということなので、塗膜がやられてしまっている可能性が高いです。具体的に言うと塗膜の割れや、塗膜の浮き=密着不良ということです。

 その上にパテを盛ったところで、しっかりとした修正作業にはなりません。後から、塗膜のワレが出てきたり、下からパリッと剥がれたりします。

 なので…

①凹みのキワから1~2センチは塗膜を落として地を出してあげましょう。

 それにより、後の不具合を防げます。もし、塗膜もワレていたらワレている塗膜は全て落としておきましょう。

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例えばこういった当て板に、サンディングペーパーを貼り付けてガシガシ研いでいきます。

②パテをしっかりと密着させる為のアシ付けを行います。

 パテ毎に指定の番手はあるかと思いますが、120~180程度の粗い番手でアシ付けを行ないましょう。粗い目を入れる事でパテがしっかり密着してくれます。

 ここでのアシ付け不良は後の密着不良を引き起こします。なので、しっかりとアシ付けを行ったうえでパテを盛りましょう。

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パテ作業は粗めの番手を使うので、この辺りの番手が多く入っている方がお得です。

③では、いよいよパテ盛りです。

 が、その前に盛られる面をしっかりと脱脂してあげてください。表面の汚れは密着不良の原因になります。

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何かと使うので、1リットルはあった方が良いでしょう。弱めの溶剤なので、下地を侵しにくいです。

 その後、軽く熱を掛ける事が出来れば掛けてあげてください。表面の水気を飛ばす事で理想的な状態にする事が可能です。

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こういったヒートガンがあると便利です。DIY好きの方は何かと使う場面は多いと思うので、一台あっても良いかもですね。

※ここで、パテについて

パテは素材に合わせた専用品を使いましょう。ここを間違えると密着不良を起こします。ここでは、2液性と言われる主材と硬化剤を混ぜて使うものをオススメしてますので、それについて記述していきます。

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金属系、FRPにはアルミファイバーパテとパリエステルパテを併用して使うのが良いでしょう。

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プラスティックパーツにはバンパーパテが良いでしょう。

 2液性の場合はまず、配合比率を間違えない事。これが、とっても大切です。当たり前ですが、これをミスるとスグに硬化して使えなくなったり、逆にいつまでたっても乾かなかったりします。それでは、マズイので、まず配合比率を間違えないことが大事です。

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正確な配合を行う為に、計りがあると確実です。

 配合分の主材と硬化剤を取り出せたらしっかり混ぜ合わせます。その際、土台になる専用のペーパーがあります。これがあれば使い捨てなので効率的です。もし無ければ、ダンボール等で代用しても良いですが、ゴミなどが混入しないようにしましょう。

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専用の台紙です。一枚一枚独立していて使い捨てなので、使いやすいですよ。

④パテを混ぜましょう!

→混ぜ方ですが、専用のヘラでしっかりと混ぜ合わせましょう。初めはヘラを立てて(土台に対して90度くらい)主剤と硬化剤をしっかり混ぜます。その後、土台を広く使って伸ばしながら均一になるように混ぜていきます。

 パテの種類にもよりますが、パテ練りの際には硬めのヘラの方がやり易いかなと思います。ヘラも沢山種類があるので、何種類か用意しておくと作業効率が上がるのでgoodだと思います。価格も安いです。

 しっかりと混ざりあったらパテを盛っていきます。

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40ミリ、66ミリ、90ミリの3本があると、多くの場合に対応できます。

⑤パテを盛っていきます。

ここでの1番のポイントはしっかりとしごき付けを行う事です。1番始めにヘラを立てて目に押し込むようなイメージで強めにパテを擦り込む事で、密着不良を起こす事を防げます。しごき付けが出来たらパテを乗せていきます。

 パテの盛り方ですが、厚く盛るのは好ましくありません。凹みを直すのであれば厚めに乗せたい所ではありますが、厚く乗せてしまうとスアナのリスクが高まります。スアナというのは、気泡のように表面に無数の細かな穴が開く事をいいます。後の工程で埋まる場合もありますが、最後まで残ってしまう場合も多いです。なので、パテ盛りの際はスアナをなるべく出さないというのが基本的な考えとなります。

 又、パテの厚盛りは作業性や耐久性にも影響してきます。作業性に関してはパテ研ぎの時間が必要以上にかかってしまうケースが考えられます。エアツールや道具を駆使する事でカバー出来る範囲ではありますが、慣れてないうちは難しいかなと思います。

 耐久性に関しては厚く盛る事によって割れやすくなります。よくあるケースとしてはボルト周りなどの、力が加わる箇所です。そういった部位にパテが厚く盛られていると締め付けの際に割れてしまい、周りも巻き込んで広がる可能性があります。

 また、前述したようにパテというのは痩せます。それは、パテの量に比例するので、厚く多く盛るということは、痩せる量も増えるので、最終的な仕上げの段階で歪みが出てくる原因となります。

 以上の事から理想的なパテ盛りの方法としてはしっかりとしごき付けを行った後、薄めにパテを乗せると言う事になります。そして、凹みに対して足りなければパテ盛りの作業回数を増やすというのが良いとされています。実際、その方が早かったりしますし、スアナのリスクも抑えられます。

 そして、最後のポイントとしてパテは一方向ではなく、多方向から盛ってあげてください。もしそれが、自分の技量や部品の形状によって難しく感じたら逆方向からで良いので盛ってあげてください。こうすることによってパテが動かされ、内部の空気が押し出されてスアナを出さないようにパテを盛る事が可能になります。

パテ作業をまとめると…

①作業部位はしっかりアシ付けを行う。

②その後にしっかりと脱脂を行い綺麗にする。

③正しい配合で良く混ぜ合わせる。

④しごき付けをしっかり行う。

⑤パテは薄めに盛る(薄すぎると砥いで無くなってしまうのでいい具合に)。

⑥多方向、もしくは逆方向からもパテを盛ってあげてフィニッシュ。

 といった、流れになるかと思います。その後、しっかりと乾燥をさせて研磨作業に入っていきます。

パテを乾燥させよう!

 パテが完全に硬化したのを確認したら研磨作業に入ります。ですが、その前にパテの硬化具合を確認して下さい。

 パテを硬化させるには熱をかけてあげるのがいいのですが、個人でタンパなどの機械を用意するのは大変なので、例えばストーブなどで熱をかけてあげると良いかと思います。熱といってもそこまで高温にする必要もありません。触って熱いかなと思うくらいでオッケーです。

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専用品があると非常に便利ですが、なかなか高価です。

 触っていられないくらいに熱をかけると部品がやられてしまうケースもありますし、急激に高温にする事でパテが割れることも考えられます。なので、熱のかけ過ぎも注意して下さい。

 又、一番手軽な方法としては、直射日光です。当然、天候や時間に左右されてしまうのですが、晴れた日であれば、問題なく乾燥させる事が出来るでしょう。

 その後、表面が硬くなり普通に触れる状態になったらサンディングペーパーで研磨してみましょう。ペーパーにパテがこびりついてダマダマにならなければ作業を進めてOKです。もし、こびりついてしまうようであれば、再度乾燥させて下さい。

 パテによっては、始めの部位、つまり表面がペーパーにこびりつきやすいものがあります。が、砥いでいけばダマダマもなくなってくると思うのである程度砥いだらペーパーをチェックして下さい。ダマダマが取れていればOKですし、ずっと残っているようであれば乾燥が不十分と判断して下さい。

 硬化の確認を終えたら次は研磨作業です。

次回に続きます。

ケース毎のサーフェーサーの下地方法【No.4】〜パテの研ぎ方をしっかり解説〜
皆さんこんにちは。FLAG-UPの中島照文です。  前回はパテの盛り方を詳しく解説しました。  今回はそのパテを研いでいきます。かなり細かく書いたので実践の際に是非役立てください。  それではいきましょう! パテ研ぎに入る前に…  パテが乾

ここまで読んで頂きありがとうございます♪

コメント

  1. […] ケース毎のサーフェーサーの下地方法【No.3】〜パテを使って凹みを直そう… […]

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