皆さんこんにちは。FLAG-UP代表の中島照文です。
今回も前回に続き人物画の描き方です。
前回は下書きや、描く前の大切なポイントについて解説したので、今回から部位ごとの描き方を解説していこうと思います。
それではいきましょう!
アウトラインを描く
まず下書きしたところを細い線でなぞっていきます。この時、線が濃すぎるとイラスト的な感じっていうんですかね?漫画っぽい印象の絵になります。それはそれで良いのですが、今回はなるべくリアルな人物を描いていきたいので線はなるべく細く薄めに描いていきます。
これは正直ちょっと濃すぎましたね。もっと細く薄い方がいいです。
とは言え、ここからいくらでも修正していけるのでミスしてもそこまで気にする必要もないでしょう。
又、複合板は自分が描きやすいようにどんどん位置を動かしながら描くのもポイントです。
その際、ミストが線の外側に飛ばないように内向きにハンドピースを向けて描いていきましょう。(動画だと見えやすいように吹いてしまっています)
複合板に対して垂直に向けるとミストは外にも内にも飛びますよね?なので、なるべく輪郭の内側に向けて斜めに吹くことで、背景の方に飛ぶミストを抑える事ができます。
簡単に言うと、関係ない所にミストが飛ばないように考えながら吹こうねって事です。
モノトーンだと修正は比較的簡単ですが、カラーの場合は上に違う色が乗ると直すのが面倒になる事もあるので、モノトーンを描いている時にこの吹き方は常に意識して、覚えるようにしましょう。
高い、明るい所を描く
アウトラインが描けたら顔の高い所、明るい所から描いていきます。部分的に仕上げていっても良いのですが、今回は全体をなんとなく形にしてから部位毎に仕上げていきました。この辺は本人が描きやすいやり方でいいかなと思います。
こんな感じで描いていきます。これだけで立体感が出てきて、何となく顔っぽくなってきました。
高い所から順に白を入れていけばそこがハイライトとなり、他が暗くなるので立体感が出てきます。基礎練習でやったように、一部分が濃くならないようにしっかりぼかすのがポイントかと思います。
もし、変になったら黒で消してあげれば修正は効くので、ガンガン進めていきましょう。エアブラシは修正しながら(削りながら)進めていくモノだと思うので、はみ出たり塗りすぎたりを気にし過ぎる必要はないでしょう。上手くなれば自然とミスが減っていきますし、修正力も必要な能力だと思います。
目の描き方
人物画のキモである目の描き方です。
目は微妙な角度の違いや視線、瞳の大きさ等で印象がかなり変わってくるので非常に重要な部位です。
眉毛の描き方
眉毛は後の方に描いても良いかなとは思うのですが、目と一緒に描き進める事で全体の雰囲気とか空気感を掴みながら描けるので、同じタイミングで描いています。
まず、毛を一本一本白で描いていきます。眉毛は最終的に黒になるのですが、始めは白で描く方が描きやすく、立体感も出しやすいです。
毛の描き方は最後の方に“髪の毛の描き方“で詳しく説明しますが、基本的には一本一本書き進めていくイメージです。人物画において髪の毛が一番時間がかかるパートなんですよ?
なので、眉毛も一本一本描いていくのが理想ではありますが、髪の毛ほど長さなく、実際は化粧によって書かれている場面も多いので、髪の毛ほど緻密に描いていく事はあまりないかと思います。
とは言え、顔の印象を決める大切な部位なのでしっかり描き進めていきましょう。
『シュッシュッシュッ』と短いストロークでエアブラシをしっかり近づけて描いていきます。
ある程度白で描けたら、メイン色の黒で白い線を塗っていく感じで吹いていきます。この時点では多少ラフに仕上がっていてもOKです。
それはこの後、目の周りを描いていく過程でミストが上に乗ってしまうからです。なので、この時点では全体の雰囲気がわかる程度に仕上がっていれば良いでしょう。
それがなんだか気持ち悪いっていう人はこの場でしっかり決めてしまっても悪くはないと思います。
眼球の周り
まず、例の如く高い所から描いていくので眉の部分と下瞼あたりから描いていきます。その後、瞼の二重(ふたえ)の線を黒で入れます。この辺は絵によると思うのでよく観察してください。
眼球
次に白目の部分を描いていきます。白目を描いていく上でのポイントは球体であるという事を意識する事かなと思います。そうすると自然とリアルな目を描いていく事ができるかと思います。
眼球の上の方は瞼によって影ができます。又、目尻・目頭・眼球の下側も球体なので影ができます。それらを意識すると立体感のある目が描けてきます。
白目が良い感じになったら、瞳を描きましょう。小さく円を描くのは、なかなかテクニックが必要なので練習をいっぱいしましょう!場合によってはクリアファイルなどを丸く切り取ったテンプレートなどを使用すると綺麗な円を描けるでしょう。
瞳を描く上でのポイントはとにかくはみ出さないように正確に描くことかと思います。偉そうに言ってますが、自分もまだまだです。
ここが正確に描けるとかなりイメージに近い目を描く事ができるかと思います。
黒目の虹彩部分はモヤモヤしているように見えると思うの、でそこも書き込めるとかなりリアルな絵になってきます。白と黒を使って質感を出せると良い感じになると思います。
まつ毛
絵によってはまつ毛がかなりポイントになってきます。特に女性を描く際には、化粧によって目立っている可能性が高いです。
まつ毛は短く細い線を描く事になると思うので、エアブラシをギリギリまで近づけて最後はしっかり払う必要があるので、テクニックが必要な部位になるでしょう。
場合によっては一本の毛を描く際に2〜3回に分ける描き方もあります。
『シュッ』とやるのが一回。それを『シュッ、シュッ、シュッ』と少しずつ伸ばしながら描く方法です。
伝わりました?笑
正確に同じ線を狙える技術は必要ですが、この方がリアルな線に描ける場合もあるので試してみるのも良いでしょう。
瞳孔とハイライト
瞳孔は基本的には塗り潰しになると思うので綺麗にはみ出さないように塗り潰しましょう。そして最後に光になるハイライトを入れることでリアルな目の完成です。
目頭の部分は先に黒を入れて、白でハイライトを入れると良い感じになります。又、下瞼にもハイライトが入る事も多いと思うのでしっかり描き込みましょう。
奥にある目
この絵でいう右目ですね。奥側にあるので手前の左目とのバランスが必要になってきます。基本的にはトレースだと思うので、そこまでバランスが崩れる事はないと思いますが、修正を繰り返していると徐々にズレていき最後は『あれ?なんか違うぞ』って事になります。
これは目に限った話ではないのですが、こういった事は往々にしてある事なので頭に入れておくと良いでしょう。
右目は奥にある為、全体的に暗くなります。なので、左目を描いた時と同じように描いた後、全体に黒を軽く乗せてあげると良い感じになるかと思います。
が、それによってハイライト部分も暗くなるとノペーっとした印象になるのでそこは注意が必要です。
次回に続きます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
※今回使用しているエアブラシです。
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