皆さんこんにちは。FLAG-UP代表の中島照文です。
前回は工具の選び方と使用方法を解説しました。
今回も、引き続き工具の正しい使用方法とあると便利な工具を紹介して行こうかと思います。
それではいきましょう!
よく使われる工具とその使用方法
モンキーレンチ
一本もっておくとなにかと便利な工具です。クチのサイズを調整できるので、様々なサイズのボルト、ナットに対応出来ます。『丁度言いサイズの工具がない!』って時などに活躍してくれるでしょう。
動く方のクチを調節ジョー、固定されている方のクチを固定ジョーと言います。使用の際にはこのクチをしっかり奥まではめてサイズを合わせて使います。
構造上、強いトルクがかけにくいので、奥まではめずにボルト、ナットを回そうとすると頭の部分を痛める可能性が非常に高いので注意が必要です。
又、力をかける際には必ず調節ネジの方向に回すというのが基本です。これは調節部分を傷めない為の使い方になります。
ドライバー
とても一般的で非常に馴染みのある工具だと思います。しかし、サイズがちゃんと設定されており、そこまで理解している人は案外少ないように思えます。
プラスドライバーのサイズは規格で1,2,3と3つのサイズが定められたいます。マイナスドライバーはネジの使用頻度が少ないのでプラス同様に3サイズくらい用意しておけば殆どの整備に対応できるかと思います。
又、ドライバーには貫通型と普通型というのがあります。軸の部分が握りの半分くらいまで来ているモノを普通型、握りの最後まで来ていて後ろから叩けるようになっているものを貫通型といいます。
整備の場面では固着して硬くなったネジを緩める場合も出てくるので、力を加えられる貫通型をおすすめします。貫通型であれば、固着してどうにも回すのが困難なネジでも、プラスティックハンマーなとで後ろから叩いてあげる事で緩めることも可能です。普通型の場合だと握りの部分が割れたりすることも考えられるので貫通型の方が安心でしょう。
デメリットとしては重くなるということがありますが、そこまで影響はないかと思われます。
使用方法としては、まずサイズがしっかりあったものを使用すること。プラスネジは非常になめりやすく、ネジ溝を潰してしまう可能性が高いです。溝を潰してしまうとドリルで壊して取り除くといった作業が必要になってくるので非常に手間です。なので、まずはサイズを間違えないと言うのがとても大切です。
そして、回すときの大切なポイントとして、回す力は3押す力を7くらいの割合を意識して行って下さい。これ、慣れてない方だと逆の割合になっている事が多いです。どうしても回そうという意識になってしまうので気持ちはわかるのですが、この方法では溝を潰す可能性が非常に高いです。
なので、グッと押し込むのをまず意識して、そこからゆっくり回してあげましょう。これだけで、溝を潰すリスクはかなり減らす事ができます。固着がひどい場合には潤滑剤を少しくわえてあげるといいでしょう。
ショックドライバー
固着したネジやねじ山が潰れかけたネジを取り外すのに便利なのがこのショックドライバー(インパクトドライバー)です。後方の柄を叩く事で先端部分が回り固着したネジを外す事が出来る便利な工具です。
必須とは言いませんが、あると便利な工具かなとは思います
六角レンチ
ヘキサゴンレンチ、ヘックスとも言いますね。頭が六角形になっているレンチです。これも多くの場面で使われているボルトなので、使用頻度は高い工具といえます。
トルクが必要な時は短い方をボルト穴にしっかりはめ、長い方を持って回します。長いほうを持つことでテコが働き、強いトルクをかけられます。なので、ボルトを緩める際には短い方でトルクを抜いてやり、長いほうに差し替えて早回しすると効率よくボルトを外す事ができます。
まだ、ものによっては先端がボール状に丸くなっているタイプもあるかと思います。ボールポイントは早回しが可能であり、多少角度があっても回す事が可能になっています。ただし、強いトルクは苦手なのでそういった場面での使用は避けた方が良いでしょう。
プライヤー
主にホース類の脱着に使用する場面が多いかなと思います。用途に合わせて開き具合を調整できるのようになっています。
ラジオペンチ
これもホース類の脱着等に使用出来ます。プライヤーより先端が細く狭い部分や細かい部分に使用するのに適しています。又、ピンやクリップ類を外したりするのに便利なので一本もっておくと良いでしょう
ニッパー
ハーネス類を切断するのに使用します。上手く使用すればハーネスの被服だけを剥く事もできます。又、タイラップ(結束バンド)を切断したりするのにも使うのでこちらも一本用意しさしておきましょう
電工ペンチ
ハーネスを繋ぎ合わせるギボシの圧着、ハーネスの切断や被膜を剥いたりと、電装周りを自分でいじりたければ必要になってくる工具です。
ウォーターポンププライヤー
一般的な水道管工事などに使用する工具で、オートバイでは冷却数のパイプの脱着などで使用します。が、使用機会は非常に少ないと思うので無理に購入する、必要はないかなと思われます。
プラスティックハンマー
ヘッドの部分(叩く部分)がプラスティックで出来ているので対象物を傷めにくいです。シリンダーヘッドを外すとか、マフラーを外すなどの際、強いトルクによって固着している場合があります。そういう時に軽くコンコン叩いてやる事でカポッと外す事が出来るようになります。これもなにかと使う場面は多いので持っておくと便利かと思います。
トルクレンチ
オートバイは基本的にほとんどのボルトに規定のトルクというのが定められています。その締め付け具合を可視化するための道具がトルクレンチです。
締め付けトルクの強さによって何種類かサイズがあり、強いトルクが必要なボルトを締める時には大きなトルクレンチが必要になってきます。又、針でトルクを見るアナログ式と電子メーターでみるデジタル時期があるので数値を読み取りやすいデジタル式の方をおすすめしておきます。
各種ソケット
今まで挙げたラチェットやTレンチを使う為にはソケットが必要ですね。外装を外したりする軽作業には8ミリ〜14ミリのソケットが一番多く使われています。アクスルなどの足回りに使用いているボルトは18ミリ以上の大きなサイズが必要になってきます。なので、簡単な作業しか行わないのであれば8ミリから14ミリあたりのソケットさえあればどうにかなるかなとは思います。
プラグソケット
スパークプラグを取り外すのに使用します。14、16、18、21ミリあたりが一般的かと思います。ものによってはプラグホールが狭くソケットが入らないなんてこともあるので、なるべく細身のメーカー品を使う事をおすすめします。
「プラグ交換くらい自分でやるよ」って方も結構いらっしゃるように思いますが、一歩間違えると非常に面倒くさいことになる恐れもあります。それは、プラグをねじ切ってしまう場合です。締め付け具合が分からないと案外やってしまうようです。
簡単に工具が入るようなバイクであればまだ良いのですが、そう簡単に工具が入らない場合もあります。そういう場合は取り外しがかなり大変になることもあるので締め付けトルクの管理は確実に行いましょう。
ノギス
各種測定に用います。簡単な整備しか行わない場合であれば無くてもいいのですが、あればあったでなにかと便利かなと思います。例えば、上記のプラグソケットを購入する時など。プラグにサイズが書いてないので交換用の新品プラグを直接ノギスで測れば、どのサイズのプラグソケットを購入すれば良いのかがわかります。他にはカスタムの際にボルトやステーの長さを測ったりして干渉を避けたりとかそういったことにも使えるので、一本あっても良いのかなと思います。
次回に続きます。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます!
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