皆さんこんにちは。aohitoです。
今回はラジエーターなどの冷却装置の解説。そこから吸排気系の解説に入っていきます。
冷却系は案外トラブルが起きるポイントなので、基礎的な仕組みは知っておいた方が良いかと思います。
又、吸排気系は走りに繋がる部分なので、仕組みが分かっていれば街乗りカスタムでもレースカスタムでも自分好みにする事ができます。バイクカスタムにおいても楽しい部分だと思うので是非覗いていってください。
それではいきましょう!
冷却装置の基本
冷却装置はエンジンの各部を適温に保つ為の装置です。
皆さんご存じの通り、オートバイってめちゃくちゃ熱くなりますよね?夏場などは内腿が火傷しそうになるくらいです。高速で燃焼が起きている金属の塊なので、当たり前ではあるのですが、もし一切の冷却が行われなくなったらどうなるでしょう?
当然、壊れますよね。
なので、冷却装置というのは必須であり、様々なところに工夫が凝らされ、エンジンの熱を少しでも下げようとしています。
オートバイは基本的には水冷と空冷という方式が使われています。スズキには一部油冷というのが使われていましたが、この辺はどこかで記事にしたいなと思っております。
今回はまず、水冷について解説していきます。
構成
構成としてはラジエーター、ファン、ウォーターポンプ、ラジエーターホース、サーモスタット、ウォータージャケット(エンジン内の水路)などです。
冷却装置の働き
冷却装置の働きとしてはウォーターポンプによって圧送された冷却水がウォータージャケットを通過して帰ってきます。そして水温が上がってくると、サーモスタットがそれを検知して開き、ラジエーター側に冷却水を循環させ、温度を下げる仕組みになっています。
つまり、水温によって、ラジエーターを通したり、通さなかったりするわけです。
冷却系統はラジエーターキャップによって加圧されていて、それにより水温が100℃を超えても蒸発しない仕組みになっています。気泡の発生を防ぎ、冷却効果を高めているわけですね。
冷却水には最悪の場合は水道水でも大丈夫みたい(自分はやった事がないので、おすすめしませんが)ですが、冬場は凍っちゃいますよね?なので基本的にはLLC(ロングライフクーラント)を混合して使いましょう。混合率は濃くても薄くてもダメなので、しっかり規定値で行うのがポイントです。
ラジエーターの役割
ラジエーターは高温になった冷却水を冷やすのが役割です。放熱性が優れた構造になっていて、アルミや黄銅板などで出来ています。
ラジエーターのジャバラみたいになっている所ありますよね?あのような形状にする事で放熱面積を増やしているのです。あそこはフィンと言って通過する走行風によって放熱されます。そこを冷却水がチューブを通って通過するので、冷却水の温度が下げられるのです。
冷却装置の点検ポイント
冷却装置の整備ポイントはウォーターポンプやサーモスタット、ラジエーター、ラジエーターキャップ辺りになります。
ウォーターポンプに関しては非分解なので、正常に動くか、損傷の有無、サビや腐食をチェックして、ダメなら交換となります。
冷却水がいつのまにかかなり減っている、水温がやたら高いなどの症状が起きたら、サーモスタットやラジエーター、ラジエーターキャップ辺りを点検します。ラジエーターキャップに規定の圧力を与え、しっかりとバルブが開くかをチェックします。
ラジエーター本体の水漏れ点検は給水口いっぱいまで、冷却水を注入。その後、規定値まで、圧力を掛けます。その状態で漏れが無いかをよく確認します。その時に併せてラジエーターホースや接続部もよく確認しておきましょう。又、ラジエーター本体の亀裂や損傷も確認しましょう。
フィンが潰れてしまっていないかも要チェックです。距離を走った車両はよくフィンが広範囲で潰れていたりします。冷却効果に影響があるのはもちろんですが、買取査定に影響が出ることもります。あそこが潰れていると、使用感が結構出てしまうんですよね。なので、フィンがつぶれる前にコアガード等を取り付けて保護しておくのがお勧めです。この辺は中古車を購入するときにチェックしておくと良いかもしれないですね。
水温がやたら高い時はサーモスタットが正常に動いていない可能性があります。サーモスタットの点検方法としては水にサーモスタットを入れて、徐々に加熱。そして、規定の水温でバルブが開くかの確認をする方法があります。又、水温があがってもラジエーター上部が冷えたままなら、温まった冷却水がラジエーター内に流入してきていないことになるので、そういった所をチェックするのが良いかなと思います。ダメなら、サーモスタットの交換となります。
以上で冷却系の解説を終えます。 めちゃくちゃ簡単にポイントをまとめると、冷却水は熱くなったらラジエータを通る。冷却系に異常が起きると水温が異常に熱くなる。 それだけでも覚えておきましょう。
吸気系・排気系の基本
ここから吸気系、排気系に入っていきます。
吸気系とはエンジンに混合気を送り込む装置類を言います。逆に排気系とは燃焼ガスを排出する装置類の事をいいます。
構成
吸気系の構成としては、エアクリーナエレメント、インレットマニホールド(よくインマニなんて言い方をされています)、などです。排気系の構成としては、エキゾーストマニホールド(こっちはエキマニ)、エキゾーストパイプ(エキパイ)、マフラーなどです。
吸排気系はエンジン特性を強く出す為にとても大切な部分で、ここに工夫を凝らす事で、オートバイの持ち味を引き出す事が出来ます。
吸気系には他にもターボチャージャーだったり、スーパーチャージャーと言った、過給機が取り付けられている事もあります。最近ではカワサキのH2にスーパチャージャーが取り付けられていますよね。
エアクリーナーエレメント
まず、エンジンに送られる空気はここを通過します。空気中のゴミやホコリを取り除く役割をもっています。異物がエンジンのような精密品に混入したら大変ですからね。なので、ここでしっかりとフィルターを通すわけです。
又、吸入騒音を抑える役目もしています。なので、エアクリーナーを社外品に変えると吸入音(よく吸い込み音とか言います)がよく聞こえてきたりしませんか?
社外品は比較的レース向けなので、こう言った事が起きるわけです。個人的にはエアクリーナーを社外品に交換して、吸い込み音が聞こえてくるようになると、ちょっとテンション上がります(笑)。こういうのもカスタムの楽しみ方だと思います。
エレメントは汚れたらエアブロー等で清掃してあげて下さい。清掃出来ない物もありますから、その場合は要交換です。ボロボロになったエアクリーナエレメントがキャブレターの方まで行ってしまったオートバイを診た時は悲惨でしたので、皆さんはそうならないようにしましょう。(笑)
インレットマニホールド
混合気を各シリンダーに送る通路を言います。ここでのポイントはインマニの系や長さによって吸入効率が変わってくるということ。
これを説明するのはなかなか難しいのですが、基本的には低回転時はインマニが長い方が吸入効率は高く、高回転時は短い方が吸入効率が高くなります。これはエンジンの脈動効果によるものなのですが、この辺はまた別記事で紹介したいと思います。
じゃあ、ヤマハTWのインレットマニホールドを短くしたらスーパースポーツのように走るかといったらそうはならない事は想像がつくと思います。開発の段階でオートバイの性格や方向性は決められていますからね。
なので、この一長一短な面をカバーする為に生まれたのが可変インテークマニホールドです。エンジンの回転数などに応じてマニホールドを切り替え最適な吸気効率を得ようとするシステムです。オートバイの市販車では一部の車両でしかこのシステムは採用されていません。例えば、ヤマハのYZF-R1(07)やMVアグスタのF4などです。名称としては可変ファンネルと呼んでいます。ファンネル部を2ピース構造に分割して長さを切り替えるシステムです。
レースシーンでは90年代位に流行ったらしいのですが、当時の技術では応答性が悪く、コストの面でも問題があったようで一般化されなかったそうです。今ではヨシムラがデュアルスタックファンネルという可変ではないのですが、両方の特性を活かしたキャブレターを販売している様なので、気になる方はチェックしてみて下さい。
次回に続きます。
ここまで、読んで頂きありがとうございます♪
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